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MBA経営辞書「コンプライアンス」

投稿日:2009/07/06更新日:2019/04/09

コンプライアンス(compliance)

コンプライアンスとは、狭義には法令順守を指し、文字通り法律を遵守することを意味する。広義には「社会秩序を乱したり社会から非難されたりする行動をしないこと」までを指し、法律を守ること以上のことが求められる。コンプライアンスは、CSRの重要な部分を占める。

コンプライアンスが注目されるようになってきた背景には、バブルや会計不祥事など、企業の闇雲な利益追求行動が社会的不安を招き、市民生活に大きな打撃を与えたことがある。利益や経済成長という「結果」だけがよければすべてが正当化されるわけではなくなったのだ。

内部統制やリスク・マネジメントなどが着目されるようになってきたのも、コンプライアンス重視の流れと連動している。いずれも、企業経営の透明性やチェック機能を高めることで、企業の暴走を防ぐことを意図しているからだ。

もっとも、どのような仕組みを作ったところで、トップを初めとする経営陣が倫理行動の必要性を強く持っていなければ、それは機能しない。我が国では2007年から08年にかけて数多くの「偽装事件」が世間を賑わせたが、問題とされた企業の経営者の多くは、「競争が厳しくて仕方がなかった」「顧客に迷惑をかけたわけではない」などの言い訳を繰り返した。ますます厳しくなる経営環境の中で、いかに誘惑を振り切り、倫理的な行動をとるべきかが問われている。同時に、「正直者がバカを見る」とならないよう行政や市民がチェック機能を適切に働かせること、あるいは行政や市民もいたずらに企業の競争を煽るのではなく節度ある行動をとることが求められている。

次回は「環境経営」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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