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MBA経営辞書「レピュテーション」

投稿日:2009/06/08更新日:2019/04/09

レピュテーション(reputation)

企業のステークホルダーの中に形成される認知。人々が購買や就職などの活動を行う際に非常に大きな意味を持つ。

レピュテーション(評判)はまず、マーケティングの観点からは、ブランド力の重要な決定要因である。消費者や顧客は、通常、他の条件が同じであればレピュテーションの高い製品・サービスを購入しようとするし、また、頭の中の優先順位リストの上位に置く傾向がある。特に、形のないサービスや、高額で簡単に試用ができない製品・サービス(コンサルティングなど)は、レピュテーションが特に重要となる。

レピュテーションの効果はマーケティング面にとどまらない。採用においても、候補者は、通常、レピュテーションの高い企業を選ぶだろう。

あるいは、既存の従業員のモチベーションも、レピュテーションの高い企業では高くなるだろうし、レピュテーションの低い企業では低くなるだろう。顧客や社会からの視線を感じずに仕事をすることはできないからだ。

協力業者や投資家、企業を誘致しようとする地方自治体や国家なども、レピュテーションを強く意識する。その企業とかかわることが、彼ら自体のレピュテーションをも左右するかもしれないからだ。たとえば、メーカーは、評判の悪い小売店で商品が販売されると、自社のイメージも悪くなってしまうかもしれないから、そうした小売業とは付き合わないかもしれない。

レピュテーションを高める(あるいは傷ついたレピュテーションを回復する)ことの重要性は昔から意識されていたが、近年、改めてそれが声高に語られるようになった背景には、ITの進化がある。ITの進化によって、人々は瞬時に企業のさまざまな情報にアクセスできるようになった。特に近年は、ブログなどでの個人の情報発信が極めて容易になっている。匿名掲示板の発達も著しい。検索エンジンの発達も目を見張る。良くも悪くも、ネット上に大量の情報が渦巻き、誰もが容易にそれにアクセスできるようになったという背景がある。

次回は「レピュテーション・マネジメント」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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