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MBA経営辞書「階層別教育」

投稿日:2009/03/30更新日:2019/04/09

階層別教育(Education by manageriallevel)

企業において、教育の対象者を勤続年数や職能資格等の基準で一律に捉え、会社主導で対象者全員に対して強制的かつ一貫的に同一内容の教育を実施していく方法を階層別教育という。全員のレベルを相対的に上げることを目的としているため、「底上げ教育」と呼ばれる場合もある。具体的には、以下のようなものがある。

a)新入社員教育:会社の業務形態や規則の説明、あるいは食堂や施設の使用法といった基礎的な知識の習得のほか、電話の取り方や報告の仕方などのマナーを教育する。新入社員として知っておかなければならない「会社の常識」のインプットである。企業によっては、入社前の段階から徐々に教育をスタートする場合もある。

b)若年層社員教育:入社5年目くらいまでの従業員に対して、業務遂行上役立つと考えられる知識やスキルをインプットする。自分の仕事の範囲における改善や提案を自分自身で行いうるレベルへの育成を目的としている。

c)中堅社員教育:入社10年目くらいまでの従業員に対して、組織での業務遂行の視点や経営の視点をインプットする。来るべき管理者昇進に備えて、十分な実践を積み上げるためのツールを提供する。

d)管理者昇進時教育:新任管理者(課長レベル)に対して全社戦略を再度理解させたり、管理者として必要となる法律知識や対人スキル、職場管理の方法などについてインプットしたりする。知識やスキルのインプットに止まらず、「一般従業員から管理者層へ」意識を改革することも大きな目的である。

e)中堅管理者教育:中堅管理者(課長・部長レベル)に対して、各自の職場において現れている固有の課題を解決するヒントとなるような知識、スキル、ノウハウをインプットする。また、同様の悩みを抱える他の管理者との意見交換などを通じて、相互啓発を図る。

f)上級管理者教育:上級管理者(統括部長や本部長レベル)に対して、複雑な経営判断を行う上での思考や意思決定の手法についてインプットしたり、ビジネスプランの評価を行わせたりする。

g)取締役教育:経営陣に対して、国際規模の競争構造やグループ経営に関する考え方、また後継者の選別に関する考え方や手法等についてインプットを行う。

これらの教育の内容はどの企業も一緒というわけではなく、企業によって特徴がある。一般に、若年層に対するプログラムは企業による相違が比較的少ないが、対象者がシニア層になるにつれ、予算や方法論については各社の特色や経営の意向が強く反映されるようになり、バラエティに富むようになる。

近年、いわゆる終身雇用の考え方が弱まり、また、企業業績が厳しくなる中で、こうした一律の教育は投資対効果の観点からも見直しを迫られている。とはいえ、階層別教育はそれでも多くの企業の教育研修の重要な部分を占めており、特にa)とd)はあらゆる企業で多かれ少なかれ実施されている。

次回は「選抜教育」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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