スワップ(swap)
デリバティブの一商品で、金利や為替などのキャッシュフローを相手と交換すること。代表的なものとしては、金利部分のみを交換する金利スワップや、異なる2つの通貨の元本と金利を交換する為替スワップが挙げられる。リスク管理の有効なツールとして、近年取引量が増大している。
例えば、金利スワップでは、典型的なものとして、変動金利を固定金利に転換するもの、あるいはその逆が挙げられる。
変動金利はその時々の金融情勢により上下するが、借入人である企業は、将来的に金利が上昇すると利払いが嵩み、収支を悪化させてしまうリスクを抱えている(逆に、金利が低下すると収支は改善する)。このような時、変動金利を固定金利と交換出来れば、利払いを一定にすることができ、将来の資金計画が立てやすくなる。
スワップを原資産とするオプションをスワップションと言う(言い換えれば、スワップにオプションの機能が付加されたもの)。権利行使日に権利行使をすることで、所定の条件でスワップ取引を開始することができる。
スワップションは、金利スワップを原資産とすることが多い。買い手にとって、原資産の金利スワップが固定金利の受取りになるものをレシーバーズスワップション(コールスワップション)、原資産の金利スワップ取引が固定金利の支払いになるものをペイヤーズスワップション(プットスワップション)と呼ぶ。
次回は「一般能力と企業特殊能力」を取り上げます。
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