グロービスのマネジメントチーム・メンバーが選ぶ2015年の1字。(書: 藤井亜希子)
「柳緑花紅 真面目」
ありのままを、ありのままに受け取り、そこに真実を観る
年末年始のソーシャルメディアのタイムラインでは、「格差社会」「資本主義の終焉」や「多極化する世界」に対する記事やコメントが目に付きました。足下では、アベノミクスによる経済復活で一服している感のある日本ですが、世界そして社会に対する漠然とした不安は明々白々であり、時代の混沌は皆が思うところでしょう。
そのような空気感を感じるなか、私は「この一字」として、「真」を選びました。
自身の職掌であるベンチャーキャピタル分野も、2014年はアベノミクスの追い風を受け、多くの新たなベンチャー企業の誕生そして上場があり、ベンチャー復活を大いに実感した1年でした。2015年は、それら期待とともに生まれたベンチャー企業が、成果を問われる、本質が自ずと顕れる、そんな年となりそうです。
ベンチャーとは、高成長を前提とし、その大いなる期待が株価に反映されます。逆にその期待に値しないと思われれば、資本市場から一気に忘れ去られる宿命です。
ただ、これまでの高成長とは売上や利益などの金銭的数値的価値一辺倒でしたが、起業家を中心とした今のベンチャーエコシステムの参画者達の多くが、新たなパラダイム・社会善を見据えた質的価値観を創り出そうと尽力しています。
短期志向の資本主義的期待・欲に踊ることなく、心の目で「真」の想いをしっかり見据え、ありのままの姿で驕らず飾らず。ベンチャーエコシステムで一緒に闘っている仲間達と、時代の閉塞感を突き破って新たな希望を一つでも多く創り出す。そんな1年にしていきたいと思います。