グロービスのマネジメントチーム・メンバーが選ぶ2015年の1字。(書: 藤井亜希子)
2012年末に安倍政権が発足して、約2年が過ぎようとしています。アベノミクスという言葉が定着し、消費増税もなされ、2020年までに女性管理職比率を30%以上にという方針の認知も行き渡ったのが2014年でした。2014年のダボス会議でオープニング基調講演に招かれた安倍首相が、既得権益の岩盤を打ち破り、国家戦略特区で規制緩和を進めるとスピーチしたのも記憶に新しいところです。
一方で、我々ビジネスパーソンにとっての実感値はいかがでしょう。より働き易くなったり、経済的なメリットを感じられた方はどれくらいいたでしょう。ここは、感じ方にかなり個人差もあるかも知れませんね。
女性の活躍推進に関して言えば、数値の妥当性についての議論はあるものの、問題意識の高まりや具体的なKPIに向けた企業努力が始まった意味では、評価できるのではないでしょうか。しかし、年末の衆院解散総選挙の影響で、折角議論が進んできた女性活躍推進法案が廃案になってしまいました。2015年に再度検討されることになります。また、女性が職場で中心的役割を負いにくい背景には、日本で常態化している長時間労働の問題があります。残業代の受益を前提とした働き方の改善の一案としてホワイトカラーエグゼンプションがありますが、2015年にはこの議論の本格化も進むでしょう。非正規労働者を直接雇用へと促す目的での派遣労働法の改正も、2015年春を目指しています。
働く人が生き生きと活躍し戦力化して日本を強くするという構想が、本当にその姿を「現わして」くるのか、かけ声だけでなく「実現化」するのか――。期待も込めて見つめていきたい2015年です。