グロービスのマネジメントチーム・メンバーが選ぶ2015年の1字。(書: 藤井亜希子)
現在、中国に駐在しているため、主に中国、日本の観点から2015年を考えたいと思います。
日本から見ると、中国は政策、バブル、腐敗とリスク面にスポットが当たりがちです。ただし、GDP世界第2位、2015年も7%以上の高成長を見込んでおり、経済活動は資本主義経済に限りなく近いです。上海自由貿易区のように政府が枠組みを作り、あとは市場に委ねる地域開発の新モデルを成功させ、中期的にはアジアの新興国の開発モデルとして中国がイニシアチブを取るよう動いています。2014年は、香港と上海の証券市場を連携させ、資金流動性を高め、企業活動の透明性も高まると思われます。加えて、日本語人材も多く、地理的距離的にも近いため、日系企業は活動しやすい国の1つだと感じます。数年ぶりに開催された日中首脳会談を機に、状況がより好転することを現地では期待しています。
市場は、中国都市部は世界の製造拠点→消費拠点にシフトし、中国企業の実力も格段に向上していることで競争は激化しています。中国市場に適応した製品、サービスでは競争出来ないので、日本企業も「現地化」に、腰を据えて本格的に取り組みを始める企業が増えてきました。弊社の中国法人でも中国人人材の登用及び経営への参画、中国人が主体となる組織づくりをお手伝いする仕事が増えています。
中国市場でホワイトスペースへ展開して成長するモデルから、シェアの奪い合いへと変わっていきます。そのためには行動力に加えて、考えて、自律的に動ける人財が競争力の源泉になります。2015年はその変わり目の年になっていくでしょう。この動きに合わせて、駐在員の役割も、現場ではなく経営、組織開発ができる駐在員の価値がますます高まっていくと思います。
日中関係、資本市場、企業活動、人材の質とすべて新しいフェーズに差し掛かっている2015年を「新」としたい。