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溜田信 選: 『丹生都比売 梨木香歩作品集』 『統計学が最強の学問である[実践編] 』

投稿日:2014/12/26更新日:2019/04/09

「女性脳と男性脳の論理」の執筆者であるグロービス経営大学院 教員 溜田信のお薦めは「硬」と「軟」の2冊。

『丹生都比売 梨木香歩作品集』
梨木香歩 著

2013年にお勧めした『家守綺譚』に続く、梨木さんの本である。標題の「丹生都比売(におつひめ)」と8つの短編集からなるこの本は、これからも何度も読み返すことになりそうな予感がする。「丹生都比売(におつひめ)」は、草壁皇子(くさかべのおうじ)の10歳のころの物語として描かれている。

“触れれば音がするのではないかと思われるほど、空気のぴいぃんと張りつめた秋の野を、おばあさまの葬式の列が音もなく通ります”で始まるこの小説は、主人公の母親(後の持統天皇)に対する想いと恐れを描き出しながら、最後の悲劇へと向かっていく秀逸な作品。他の短編とも合わさって、「ひとはみな、生への寂しみを引き受けて生きていく」(著者)作品集になっている。

今回は、なんとも不思議な感性にあふれた本。これも、忙しく厳しいビジネスの合間に、ふっと心を癒したい方にお薦めである。

『丹生都比売 梨木香歩作品集』、梨木香歩 著、新潮社 (2014/9/30発売)

『統計学が最強の学問である[実践編] データ分析のための思想と方法』
西内啓 著

昨年ヒットした「統計学が最強の学問である」の続編だが、その質は全く違っている。昨年読んだときは、人に薦める気がしなかったが、今回の[実践編]は、自信を持って薦める事が出来る。なぜか?前作は「この本を読んでも統計学が使えるようにならない」本であったのに対し、今作が“使える”本だからだ。それは、著者自身が「様々なビジネス領域で定量的な分析の実務経験を積んだ経営学者」として、ビジネスマンが使える統計学入門の本を書いたからである。

本文には、数式は出てこないが、本質が書かれている。例えば、「データ分析を因果関係の洞察、すなわち、コントロールしたい結果とそれに影響を与えうる原因の候補、という観点でとらえるのである」と書いてあるが、正にビジネスの要諦そのものである。逆に、補足には十分すぎる数式が記載されており、より深く理解したい読者には最適な内容になっている。「数字が苦手」な「ビジネスマン」は、必ず読むべし!一つだけ忠告しておくが、本質が書かれている本は、優しくはない。でも、必ず力になる。

『統計学が最強の学問である[実践編] データ分析のための思想と方法』、西内啓 著、ダイヤモンド社(2014/10/24発売)

  • 溜田 信

    グロービス経営大学院 教員

    東京大学工学部応用物理学科卒業後、日本アイ・ビー・エムに入社。銀行オンラインシステム担当のシステムズエンジニア&営業マネージャを経験。その後、外資系SIベンダー、マイクロソフトにおけるソリューションビジネスの経験を経て、戦略系コンサルティングファームA.T.カーニーに入社。メーカーの事業戦略・SIベンダーの営業戦略・組織改革、金融機関のIT戦略等、IT知識を持つ戦略コンサルティングプロジェクトに従事した経験を持つ。グロービスにおいては、マーケティングならびに思考系の教員を担当している。

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