未来の懇談会よりも、今の経済、雇用、復興を最優先せよ 

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福山副官房長官が、久しぶりにツイッターでこう呟いていた

「自然エネルギーに関する有識者オープン懇談会を開催します。出席者は、孫正義 ソフトバンク社長、岡田武史 元サッカー日本代表監督、小林武史 ap bank代表理事、枝廣淳子 環境ジャーナリスト、坂本龍一です。高名な方々であり、自然エネルギーに強い思いをお持ちの方ばかりです。総理と建設的かつ未来に夢がもてるような懇談になれば、と考えています」。

僕は、これを見て、「なぜ今?」、「菅総理は辞める筈では?」、「何でサッカー監督やミュージシャンが有識者なの?」、「復興は?経済は?」等とても不思議な気持ちになるとともに、「他にやるべきことがあるだろう」と憤りを覚えてきた。そこで、次の通り、副官房長官に向けて呟いた。

「僕には、懇談会の目的がさっぱりわからないです。今重要なことは、しっかりと経済を回し、雇用を生み出し、復興を遂げることです。その復興の一番のボトルネックが電力です。電力不足により産業は打撃を受け、国民生活は多大な迷惑を被り、熱中症による死者も増えることが予想されています。

今行うべきは、10年以上未来の「自然エネルギー」の懇談会ではなく、原発の再稼働を果たし、経済をまわし、復興の道筋を示すことではないでしょうか。この「自然エネルギー」のイベントが「脱原発」の気運に加勢し、再稼働が遅れると日本経済、雇用の維持の面で、致命的なことになるでしょう。

どうも僕には、辞職したくない菅総理が、人気取りのために行っているイベントにしか見えないです。こんなパフォーマンスをやっている暇があるならば、東電の破綻処理(今株価が急落中)、原発の再稼働(無関心にしか見えない)、復興計画の策定(遅遅と進まない)に取り組むべきでないでしょうか。

リーダーの役割の一つは、「何が緊急で重要か」を伝えることです。この優先順位を間違えると、誤解を招き、混乱を起こします。副官房長官からの久しぶりのツイートが「懇談会」だと、経済、雇用、復興への関心が低いものと見なされます。親しいからこその進言、ご勘弁を」と。

「自然」エネルギーには、誰も反対ではない。起業家が、どんどん新たな境地を切り開いていき、進めて行くべきだ。僕も、ベンチャーキャピタルとして多いに投資をしたい分野だ。だが、孫正義氏が、政治に擦り寄り、補助金を狙い高い電力料金で売ることを期待して「政商」的に動くと、ことはややこしくなる。国民の税金を使わずに行えるならば賛成だが、政治力を使う政商が現れると、政策を曲げられる危険性があるからだ。

それよりも、今必要なことは、経済を回し、雇用を生み出し、復興を果たすことだ。懇談会の面々を見ると、「脱原発派」が多く見受けられる。しかも自然エネルギーの有識者でも何でもない。この議論が、脱原発・反原発に流れると、また再稼働が遅れ、経済が停滞し、雇用も失われ、新卒学生の就職も増えないであろう。そして、復興は遅遅として進まない事が予想される。

「未来の懇談会よりも、今の経済、雇用、復興を最優先せよ」。それが、国民が求めていることである。

堀義人

 

京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。住友商事株式会社を経て、1992年株式会社グロービス設立。1996年グロービス・キャピタル、1999年 エイパックス・グロービス・パートナーズ(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。2006年4月、グロービス経営大学院を開学。学長に就任する。若手起業家が集うYEO(Young Entrepreneur's Organization 現EO)日本初代会長、YEOアジア初代代表、世界経済フォーラム(WEF)が選んだNew Asian Leaders日本代表、米国ハーバード大学経営大学院アルムナイ・ボード(卒業生理事)等を歴任。現在、経済同友会幹事等を務める。2008年に日本版ダボス会議である「G1サミット」を創設。2011年3月大震災後に、復興支援プロジェクトKIBOWを立ち上げ、翌年一般財団法人KIBOWを組成し、理事長を務める。2013年6月より公益財団法人日本棋院理事。いばらき大使、水戸大使。著書に、『創造と変革の志士たちへ』(PHP研究所)、『吾人(ごじん)の任務』 (東洋経済新報社)、『人生の座標軸』(講談社)等がある。

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