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中国の若手リーダーとのネットワーク

投稿日:2003/11/27更新日:2019/09/04

今、グロービスは、中国づいている。10月31日-11月3日まで、GMS(グロービス・マネジメント・スクール)のベンチャーマネジメントコースを受講した東阪の受講生が、上海フィールドスタディを実施したばかりである。そして、僕は今北京に出張に来ている。

今回の中国訪問は、中国・珠海市の日本人集団買春事件、西安市の日本人留学生わいせつ寸劇への中国人学生デモなど、反日感情が高い中で行われた。今回の公式の出張目的は、以下3つである。

1) WEF((World Economic Forum)主催の中国経済サミットに参加する。(前回の東アジア経済サミットに引き続いての開催である) 
2) NAL(New Asian Leaders)のエグゼクティブボードミーティングに参加する。 
3) NALとして、中国のメンバーを増強するために中国の若手リーダーと交流をはかる。

このどれもが十分に達成することができた。
ただ、僕には、もう1つの違う目的があった。「中国をより良く知り、良い友達を作り、少しでも中国を好きになる」ことである。

僕にとって、今回は、4回目の中国訪問である。最初は、1996年のシンセン、2回目が1997年の上海・北京ツアー、3回目が2000年の上海での講演、そして今回が4回目。決して多くは無いが、少なくも無いとは思っている。ただ、過去の訪問では、仲の良い友達をつくることができなかった。

昨今の中国の反日的な報道を見ていると、「日中の草の根のネットワークが足りないのではないか」と思えてきて不安になる。たとえば韓国が反日的な報道をしても、日韓の間には、かなりの草の根ネットワークがあり、悪い方向に行かない安心感がある。(僕が、韓国に友達が多いからそう思っているだけかもしれないが)

ただ、中国の場合には、その草の根のネットワークが日中間に無いのではないかと思えていた。少なくとも、僕には、中国在住の中国人の友達はいない。香港・台湾・東南アジアの華僑、そして米州育ちの中国系アメリカ人・カナダ人などの友達はたくさんいるが、メインランドチャイニーズの友達は、不思議といないのである。先のシンガポールでの東アジア経済サミットで、リークアンユー上級相が、「全ては、草の根で始まる」と、言っていたことが思い出される。

こういった事件があると、やはり日中間の草の根レベルの相互理解の重要性を認識し、行動することとした。

今回会った、中国の若手リーダーで印象に残っている2名を紹介しよう。

一人が、Rui Chenggang(チェンガン)である。そして、もう一人がLloyd Xing Hong(ロイド)である。
チェンガンを見たときに、どこかで見たことがあるなと思っていたら中国中央テレビ(CCTV)のキャスターをしていると紹介されたので、日本で深夜BSで放送されている中国ニュースのキャスターだと理解できた。彼は、CCTVの夜9時から45分間キャスターを務めているのである。日本で言えば、久米宏をもっと若くして、誠実さを増した感じである。CCTVは当然国営なので、NHKの番組をより一層マジメにした感じである。英語も堪能だし、中国国内でのネットワークも広そうである。興味を持ったので、ディナーの時狙い済ましたように彼の横の席に座った。隣通しで色々と話し込んだ、というよりも僕が一方的に質問していたのかも知れないが(^^;;

「日本のことはどう思っている?」「日本には来たことがあるのか?」「日本人に友達はいるか?」という日本関係の話から、「なぜ英語がうまい?」「これからもキャスターを続けるのか?」など色々と質問した。

日本に関する質問でわかったことは、チェンガンは、「一度も日本に来たことは無いし、日本人の友達はいない(彼も質問されて、日本人に友達がいないことを初めて確認して、彼自身多少驚いていた)。そして、当然日本に関しては、「悪いことばかり聞いてきた」ということだ。チェンガンも一方では、僕に色々と質問した。「仕事は何をしている?」「中国には来たのは何回目だ?」「中国をどう思うか?」などなど。

お互いに、初歩的な質問をした後に、今回の珠海市と西安市の一件に関して、色々と話をした。「どこの国にもいい人と悪い人がいる。これらの事件をもとに全ての日本人を悪者にはして欲しくは無い」。日本との歴史に関しては、「中国人も韓国人同様、日本に対して好意的に思っていないこと知っている。僕ら、若者は、過去のことに責任を負い続けることはできない。これからの日中関係を考えると、過去に固執するよりも将来を見据えた良好な関係をつくることが重要ではないか」「日中間では、どうも誤解が先行して、悪い方向に話がいっている。問題なのは、草の根の交流が無いことではないか。事実、チェンガンにも僕にも中国、日本それぞれに、友達がいないではないか。先ずは、僕らが友達になろう。少なくとも、僕は、日中間の友好にできる限りのことはしたい」と熱く話をした。

チェンガンは、「わかった。では、一度僕のテレビ番組にに出て欲しい。そして、今、話をしたようなことを話して欲しい」と言われた。僕は、中国のお酒、紹興酒を多少飲んでいたので、「必要ならば喜んで僕がCCTVに出よう」と盛り上がった。

その後、「中国の中で好きな場所はどこだ?」「中国の歴史上の人物で誰が一番好きだ?」という質問を通して、中国に関する意見交換をした。とても楽しいひと時であった。彼は、CCTVの仕事のために、本来7時30分にはスタジオ入りしなければならないのだが、ギリギリまで一緒にいてくれ、結局8時20分まで一緒にいた。僕の方が時間を気にするぐらいであった。彼が帰り際に言った言葉が印象的であった。

「10分間のあなたとの会話が、日本に対する印象を根本から変えてくれた」と。
彼は、2度同じフレーズを繰り返しした。よほど印象に残ったのだろう。これからも再会することを誓い合って、別れた。彼もNALのメンバーなので、これからも会いつづけることになると思う。

もう1人が、Lloyd Xing Hong(ロイド)である。ロイドは、中国の外務省に務めた後、コロンビア大学のロースクールに留学し、NYで弁護士となり、中国のブリリアンス自動車という、独自の中国ブランドの車をつくるとともに、BMWとのJ/Vを経営する自動車会社の副社長だ。年齢は、40才だ。非常に英語が堪能だ。彼が、今回NALに参加しようと思ったのは、以下の理由だ。

「私も40才となり、既に10年以上ビジネスに携わっている。ビジネスという形以外ででも中国に貢献したいと思っている。積極的にNALに参加して、中国のために、アジアの一員としてアジアの経済統合や、教育問題などを考えたいと思っているからだ」

中国人に関心し、ある意味で脅威にすら感じるのが、この強い愛国心だ。これからの中国は、若手の優秀な人材が、グローバルなマインドを持ち、ビジネスを含めて様々な分野で活躍していくことになろう。日中間では、相互不信などを乗り越えて、良好な草の根のネットワークを作ることが必要だと思う。

今回、米国からも数多くの若手のリーダーが中国経済サミットに参加していた。たまたま、その中に、僕のHBSのクラスメートが参加しているのを見つけたので、その理由を聞いてみた。すると、「サミットの前に、中国人と米国人の若手のリーダーが、10人づつ集い、3泊4日の合宿研修をしてきた。この企画は、毎年相互の国から若手のリーダーを10人選び、相互の国で持ち回りで合宿研修を実施する企画だ。プログラム名は、Young Leaders Forumで、運営母体は、Council for US-China Relationshipという団体だ。この企画を10年続けたら100人づつの草の根の若手リーダーのネットワークがつくられることになる。非常に米中にとって有意義なことである」

このままでは、日本は、どんどん取り残されていくことになってしまう。それを知ってか知らぬか、チェンガンが別れ際に、僕にこう言った。

「今度は、日中間でYoung Leader's Forumをつくろう!」

そこまでつくれるかどうかはわからないが、少しづつでも良いので双方の国の相互信頼に役立ちたいと思った。

2003年11月7日
北京のホテルにて

 

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