社員旅行が楽しい!? 

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実は今、沖縄に来ている。なぜ沖縄にいるかというと、社員旅行だからだ(非常に内輪の話で恐縮だが、今回のコラムは社員旅行について書くこととした)。

「社員旅行に行くんです」と言うと、「え、グロービスでもアナログ的な社員旅行をやるの?」と必ず質問を受ける。無理もない。僕も社員旅行が大嫌いだったので、その反応には納得できる。
2000年7月28日の「グロービス豆知識(その2)-社員旅行はどうして始まったのか?」にも書いたが、グロービスの社員旅行は、基本的に参加は自由だ。拘束時間も2時間しかない。沖縄に来るのも、ルートは自由だ。飛行機で飛ぼうが、船で来ようが、泳いで(?)来ようが原則自由である。いつ来てもいいし、いつ帰ってもいい。ただ、8月の第1日曜日の夜7時から9時まで2時間のみ一緒にいればいいことになっている。

社員旅行と言っても、正社員ばかりでなく契約社員、派遣社員、そしてインターンの学生にも参加する資格がある。また、ゲストの同伴も可能である。ゲストとして同伴できるのは、家族か大切な方(英語でいうSignificant Other)である。社員に対しては全額会社負担で、ゲストに対しては半額会社負担である。今年初めて、彼氏を連れてきた女性社員がいた。グロービスは基本的に「何でもあり」なのである。

今年で9回目を迎えるこの社員旅行は、実はやってみると結構楽しいのである。行く場所も、社員全員参加でウェブを使って投票して決める。今年は、候補が4個所上がっていた。仙台、四万十川、屋久島、そして沖縄である。決戦投票の末、一票差で沖縄に決まった。

僕は、今年は四男が4月に生まれたばかりなので、当初シングルで参加する予定だった。が、思いのほか四男が順調に育ち、「パパだけ沖縄に行くのはズルい」という子供達の言葉に動かされて、家族6人で参加することにした。社員旅行に行くついでに家族旅行もできる。一挙両得である。

毎年、社員旅行の拘束時間に行われる2時間のパーティは、毎年ものすごく盛り上がる。今年は、初めての試みとして、ドレスコードを導入してみた。多少抵抗があったようだが、気にせずに実施することにした。夏ということで、浴衣(ゆかた)。南国ということで、アロハ、ムームー、水着。そしておまけとして、コスプレもOKとしてみた。やるからには、当然ベストドレッサー賞を3部門(シングル部門、カップル部門、そしてファミリー部門)設けて、頑張った人を表彰して楽しもうと思った。

僕らは、ファミリー部門で賞をもらおうと、大人2人は浴衣、子供4人には全員甚平を着せた。そして、いざ出陣ということで、パーティ会場に向かった。着いたら、ビックリである。アロハ・ムームーを始めとして、水着参加の人はいるし、ピエロの格好をした人、女装をした人、チャイナドレス、浴衣、そしてトーガ(シーツを巻いた古代ローマ人風の人)もいた。そして華やかな浴衣姿の方々もいっぱいいた。浴衣は、本当に華やかで綺麗である。

会場は、ビーチサイドにあるオープンエアの快適な空間である。天気は抜群に良い。
ちょうど夕日で空が赤くなりそうなロマンチックな気分の時に、おもむろに音楽とともにピカチューの格好をした司会者が登場した。そして、続いて茶髪の女子高生ファッションに身を包んだアシスタントの男性二人が紹介され、登場。二人が会場を練り歩き、どよめきが広がった。冒頭に僕が乾杯の音頭をとって、パーティが始まった。
(乾杯用ということではないが、僕の浴衣は、グロービスのコーポレイトカラーの紺とシルバーを基調にしていた)

パーティでは、全員参加型のクイズをしたりゲスト紹介もした。そして、ベストドレッサー賞の3部門の発表である。あらかじめ手渡された投票用紙に各自が記入して集計する。僕らは計画どおり、ファミリー部門で1位となった。ヤッター!恐らく、6人参加と数が多かったのと、生後3ヶ月の息子にも甚平を着させたのが勝因であろう。賞品としてサッカーゲームをもらった。子供達は大喜びだ。

そして、最後に恒例のプレジデントアワードを授与して、パーティは閉会となった(プレジデントアワードに関しては、そのうちコラムにでも書いてみたいと思う)。

この後は、皆思い思いのことをして時間を過ごした。僕ら浴衣組は、会場の近くのテラスで泡盛の水割りを飲みながら余韻を楽しんだ。その後、何をしようかと考えたがやはり沖縄といえばビーチ。浜辺に降りて、花火をすることにした。我家の四男以外の子供3人も参加した。浴衣を着て、夏の浜辺で花火を楽しむ。う〜ん、風流だな〜と、本当に静かで楽しいひと時をすごした。

隣では、女性陣が水着に着替え海の中に入っていった。暗闇の中の水の方から女性の楽しそうな声が聞こえてくる。泳ぐ人もいれば、カラオケに行く人もいるし、近くのビーチサイドにあるバーに行く人もいる。基本的に全てが自由なのである。従い、「社員旅行」とは言っても、かなり楽しいものなのだ。

僕は「楽しい」というのはすごく大切な事だと思っている。楽しくないとやる気にならないし、情熱も生まれない。楽しい環境をつくることがトップとして最も大切なことだと思っている。
GMS(グロービス・マネジメント・スクール)のサービスマネジメントのクラスでも、『顧客満足のためには、従業員満足が必要である』と学ぶ。僕は、その従業員満足には"楽しさ"が不可欠だと思っている。最近考え始めているのは、「会社の中の楽しさがどのように業績に良い形で影響するか」である。心理学的側面と組織行動学的側面を組み合わせて何らかのフレームワークができるのではないかと思っている。
僕らのようなクリエイティビティを重んじる会社では、この「楽しさ」がとても重要なのではないかと思っている。

そんなことを思いながらパソコンを打っていたが、ふと部屋を見渡したら、横では4人の子供達がからまりながら寝ていた。もしかしたらトップが一番楽しんでいるのかな〜とも思えてきた。

2003年8月4日
堀義人@沖縄のホテルにて

 

京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。住友商事株式会社を経て、1992年株式会社グロービス設立。1996年グロービス・キャピタル、1999年 エイパックス・グロービス・パートナーズ(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。2006年4月、グロービス経営大学院を開学。学長に就任する。若手起業家が集うYEO(Young Entrepreneur's Organization 現EO)日本初代会長、YEOアジア初代代表、世界経済フォーラム(WEF)が選んだNew Asian Leaders日本代表、米国ハーバード大学経営大学院アルムナイ・ボード(卒業生理事)等を歴任。現在、経済同友会幹事等を務める。2008年に日本版ダボス会議である「G1サミット」を創設。2011年3月大震災後に、復興支援プロジェクトKIBOWを立ち上げ、翌年一般財団法人KIBOWを組成し、理事長を務める。2013年6月より公益財団法人日本棋院理事。いばらき大使、水戸大使。著書に、『創造と変革の志士たちへ』(PHP研究所)、『吾人(ごじん)の任務』 (東洋経済新報社)、『人生の座標軸』(講談社)等がある。

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