皆様、新年明けましておめでとうございます。
2002年は、グロービス創立10周年の年となります。
次の10年間にグロービスが何をなすべきか、グロービス10年の歩みを振り返りつつ、じっくりと考えてみました。
「グロービス10年の歩み」とは以下のようにまとめられると思います。
・顧客に耳を傾け続けてきた10年間。
・ グロービスのビジョン、ミッション、理念を何よりも大切にしてきた10年間。
・ 常に自己革新・自己練磨の連続を目指し、あきらめず・挑戦をし続けた10年間。
旧来の常識にとらわれずに自由に発想し正論で挑み、それでいて社会との共鳴感を大事にしながら、グロービスを創り、成長させ、組織を創造的に進化させてきた10年間であったと思います。
では、「グロービス10年間の成果」とは何だったのでしょうか? それは、「ヒト・チエ・カネのビジネスインフラ構築の10年間」と言えると思います。
●ヒトのインフラ
GMSでは、東阪で5000人を越す受講生に学んで頂きました。
そして、GMBを通してヒトが集まり・提供される仕組みが確立しました。
●チエのインフラ
20冊にのぼる書籍出版・e-learning用デジタルコンテンツ・アセスメントテストなどを通して、300社にのぼる企業クライアントと個人へ「チエ」を提供する仕組みが確立しました。
●カネのインフラ
200億円を越すファンドを組成し投資することができました。
投資先の一社、ワークス・アプリケーションズがIPOし、その成功でベンチャーキャピタルとしてのNo.1ポジションを確立することができました。カネが集まり、提供する仕組みが確立しました。
このようにヒト、カネ、チエが集まり、提供できる仕組みが確立した訳ですが、しかし、まだ僕らのビジョン〜ヒト・チエ・カネの質の高いビジネスインフラを創造し、ビジネスの創造と変革を目指す〜の前半ができただけです。
僕らの挑戦は始まったばかりと考えます。
そこで、グロービスの「これから10年間の3つのテーマ」を次のように考えました。
1.「創造を導き、変革を促す」
これからの10年間は、構築した「ビジネスインフラ」を使って社会の創造と変革を実際に行えるかが問われていると考えます。
今までの10年間は、そのための準備期間でしかなかったのです。
●いかに多くの優秀な「創造と変革の志士」を輩出させるか。
●いかに多くの企業の真のパートナーとして変革を促せるか。
●いかに多くの人々に「創造と変革」のチエを提供できるか。
●いかに多くの「グローバルベンチャー企業」を輩出できるか。
●いかに多くの人々に「創造と変革の場」を提供できるのか。
僕らの評価基準は「規模」ではありません。上記を如何に達成できるかが重要なのです。
これからの10年間でその真価が問われることになると思いますが、これが僕らがやりたいことなのです。
2. 「ジャパンフォーカス・グローバル・エンティティー」
<ジャパンフォーカス>
「ジャパンフォーカス」とは日本社会の創造と変革に献身すること。
日本における創造と変革に今後10年間はフォーカスします。日本はグロービスのインフラを必要としており、日本社会の創造と変革を一番の優先事項と考えるからです。
GMS・GOL・GCP・GMBの海外展開は原則として考えていません。
<グローバル・エンティティー>
「グロービス」の名前はグローバル・ビジネスの略です。ハーバード・ビジネススクールやクライナーパーキンスはローカルですがグローバルなマインドを持ち活動を行っています。ローカルにフォーカスしながらも「グローバル」であることは可能です。そのモデルを考えてみたいと思っています。
戦略の本には「戦略とは選ぶことである」と書かれていますが、2年前、 僕らは公開せずにパートナーシップ的企業の道を選びました。
同様にこれから10年間はジャパンフォーカスであるが且つ「グローバル」である道を選択します。
3.そして、「進化し続ける組織」へ
今までは、グロービスを創り、成長させ、組織を創造的に進化させてきた10年間でした。そして、これからも進化しつづけます。
さらに良い人材が集まり、育ち、ネットワーク・コミュニケートする仕組みを持つ「進化し続ける組織」となるのです。そのためには、以下3点が必要だと考えます。
1)優秀な人材のフローの確立
「グロービスには、講師やスタッフなど、常に志が高く優秀な人材が集まっている」という状態を確立したいと思います
2)個人の能力が爆発するためのラーニングシステム
グロービス・スタッフの人材育成を図っていきます
3)チエを発信させて、ネットワーク力を強化
グロービス・スタッフによる知の発信(執筆など)、パブリシティによるグロービスのビジョンの発信などを通して社外とのネットワーク力を強化していきます
<まとめ、最後に・・・>
「10年間の成果は充分にあった、しかし、勝負はこれからだ」と僕は考えます。
そのような意味で、2002年はグロービスにとって次の10年間のための基盤整備の年となるでしょう。
「グロービスの任務は何かを考えながら、先ずは日本にフォーカスをして、基盤をつくって、創造と変革を行い続けたい」
「一人一人、一日一日、一社一社を大切にしたい」
・・・そして、このような想いを忘れずに行きたいと思います。
今年もよろしくお願い致します。
以上