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嬉しかったこと(子供編)

投稿日:2004/04/07更新日:2019/08/27

先日、長男と2人で小旅行を楽しんだ。長男は、現在6才で、4月から小学校に入学する。我が家は子供が4人いて、皆男である。家族は、常に一緒に行動するので、 どうしても僕自身の愛情や注意のかけ方も4分の1づつになってしまう。小学校に入る前に1対1で向き合う機会をつくろうと思い、小旅行に出かけることにしたのだ。

この小旅行のアイディアをくれたのは、僕らのイスラエルのパートナーであるアラン・バルカット氏である。昨年、彼が日本に来るということで、ランチアポが入った。当日、ランチを事務所で用意して待っていると、彼はカジュアルな出で立ちで登場した。そして、その後ろには、彼の長男がついてきていたのだ。彼に理由を尋ねると、こういう答えが帰ってきた。

「ユダヤ教では、子供が13才になると‘bar mitzvah(バーミツバ)‘という成人式を行う。そのお祝いに、我が家の場合には2人で旅行することにした。『どこにでも連れて行ってあげるからどこがいい?』と聞いたら、『小さいころ過ごした日本に行きたい』、と言ったから2週間ほどつれてくることにした。その間、飛騨の高山や遊園地に行ったりで、パソコンも、携帯電話も持たずに子供とずっと一緒だった。子供には、1つだけ仕事をしてもいいという許しをもらったので、グロービスに来たのだ」、と。

僕は、これはいいアイディアだと思った。我が家には、4人子供がいる。いつも1対1では向き合えない。そこで考えたのが、「子供達1人1人と、小学校に入る前に日帰りの小旅行。中学校に入る前に1-2泊。高校に入る前(もしも本人が希望すれば)は海外に数泊連れて行こう。そうすれば、親子の絆も確認できるし、子供達にとっても一生の思い出になるかもしれない」と。

と、いうことで、小学校入学を迎えるにあたり、小旅行に行く事になった。そして近づくにつれ、考え始めたのが、「さて、どこに連れて行こう?」ということである。 長男に「どこに行きたい?」と聞くと、即座に「韓国」とと返ってきた。う〜ん、小さいときに連れて行った韓国もいいけど、ちょっと遠いなぁ。どうしようか、とずっと考えていた。

子供だから長旅は疲れるであろう。せいぜい1-2時間だ。いつも移動は車だから、今回は電車で移動しよう。山小屋から草津まで行くか、それともディズニーランドに行くか、箱根に行くか、いろいろと悩んだ。どうせ連れて行くなら、意味がある場所に行きたい。更に悩んだのが、道中で子供とどんな会話をしたらいいのだろう?相手は6才だ。当然、ビジネスや政治・経済に関しては、全く興味がないだろう。2人の小旅行の場所と会話をイメージしてみたけど、あまりピンとこない。

そして、悩んだあげくに出てきたアイディアが、「僕が生まれ育った水戸に連れて行き、僕が通った小学校、中学校、高校を案内し、そのときに僕が考えていたことを語ろう」、である。

そして、3月28日(日)当日を迎えた。家を出る時、玄関で、次男、三男が 「お兄ちゃんだけ、ズルイ〜。僕も連れて行って」と駆け寄ってきた。みんなを連れて行きたいけど、それでは目的が達成できないのである。駆け足で家を出て、桜が咲き始めた上野から水戸行きのスーパーひたちに2人で乗り込んだ。

水戸に着いた。まずは、小学校だ。徳川斉昭が建て、徳川慶喜が学んだ水戸藩の藩校の弘道館の跡地にある母校‘三の丸小学校‘に向かった。その横にある講道記念館にも立ち寄った。子供に一生懸命に『文武両道』、『芸に遊ぶ』という水戸的な考え方を語り始めた。反応は今ひとつだ。その後、水戸城の二の丸にある水戸二中に行った。2人でこそっと校庭に入り込み、土手に登った。眼下には那珂川の緩やかな流れが見えてくる。そして、本丸の跡地に建つ水戸一高にも連れて行った。

どうも長男は、あまり興味を示していないようだ。どちらかというと、僕の方が楽しんでいた。1人、懐かしい気持ちに浸り、感慨にふけってしまっていた。これではいけないと思い、昼食を取ろうと日本三大公園の偕楽園にあるレストハウスに向かった。僕は、納豆小懐石、長男は光圀ラーメンを注文した。

午前中はたくさん歩いて疲れたので、午後はのんびりとすることにした。「何でも好きなようにしていいよ」、と言うと、お金を持って、祭りの出店のような場所に駆けて行った。最初にお手玉を投げて、おまけを落とすゲームを始めた。長男は、3個落としておまけをゲットしてご機嫌だ。そして、こんぺい糖をわしづかみにした。更に、ワタ飴、その次は水を入れて音が鳴る笛も買った。普段は「ダメ ダメ」と言われて買えないものばかりだ。いつもは4人兄弟の長男としての遠慮があるようだけど、今日は思いっきり甘え始めていた。本当に生き生きした顔をしている。そして、梅のソフトクリームも買って来て、千波湖が見える芝生に陣取った。2人で、買って来た戦利品を並べ食べ始めた。

天気も最高で、半袖でも大丈夫なくらいだ。目の前の仙波湖の景色が素晴らしい。ちょうどそこから、僕が育った家がある湖畔の丘も見えた。「あそこで育ったんだよ」 と言ったけど、長男はうんともすんとも言わずに、ワタ飴を食べ続けていた。 その後、バスで水戸駅に戻り、水戸駅前のスターバックスで、2人でお茶をした。長男は、キャラメルフラペチーノを頼んでいた。その後、スーパーひたちに乗って東京に向かった。帰りの電車の中では、疲れて眠っていた。

家に着くと次男、三男、四男のお出迎えだ。暫くして、友達夫婦がシャンパンを持って、僕の誕生日を祝いに来てくれた。ほろ酔い気分で楽しい夜を過ごし、翌日サンフランシスコ行きの飛行機に飛び乗った。29日は、到着後すぐに投資家とのミーティングを3件こなし、夜にはスタンフォードとバークレーの学生を招待した夕食会を行った。時差のためか早く目がさめてしまったので、このコラムを書くことにした。

本日は、これからApaxの事務所を訪問してから、スタンフォード大学でのスピーチ、そして投資先企業を2件訪問し、シアトルに向かう予定だ。サンフランシスコ1泊、シアトル3泊の旅程だ。

前回に続き、プライベートなコラムで恐縮である。今回の出張で何か面白い発見があればまたコラムにまとめてみたいと思う。

2004年3月30日 6:00am
サンフランシスコのホテルにて

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