ゴールデンウィークを利用して、英語の勉強をしようと考えている人も多いのでは。そこで、社会人留学をしたり英語MBAの講座開発等をしているグロービス経営大学院の教員と研究員が、英語の勉強に役立つおすすめ本を5冊ご紹介します。
プロ通訳者が実際に使っている、丁寧な表現を声に出して学ぶ
洗練された会話のための英語表現集
推薦:伊藤紀行
相手にとって失礼のない発言をしなければと思っている間に、発言の機会を逃してしまった――。そんな方には、プロの通訳者が書いた本書がお勧めです。何と言っても、ニュアンスの違いをわかりやすく説明してくれている点が特徴です。例えば何かを丁寧に頼みたいとき、相手が上司や目上の人なら“Would it be possible ~?”、同僚などに丁寧に頼む時は“Is it possible~?”、近しい関係性であれば “Is it alright~?”、などのように、シーンにあわせた適切な表現を解説してくれています。さらに、例文が豊富で少しずつ表現や単語を変えながら、「これでもかこれでもか」といわんばかりに繰り返されるので、必然的に頭に残ります。まるで大人の公文式!おかげで必要な場面で良い表現が口をついて出てくるようになり、何度も助けられています。大人になってから英語が必要になった私にとって、手放せない1冊です。
コスパもバランスもよし、ロングセラーの威力を体感
実践ビジネス英語
推薦: 森暁郎
「低コストでバランス良く英語を身につけたい」「くじけずに継続して英語を勉強したい」。そんな方々にぴったりなのが、NHKラジオ第2で放送されている「実践ビジネス英語」です。毎月500円未満とリーゾナブルな価格で購入できるテキストと並走して学ぶスタイルで、ビジネスシーンでのショートケースを通じて、リスニング力やよく使うキーフレーズをテンポ良く鍛えていきます。1回15分と取り組みやすいため、途中で投げ出しにくくなる効果もあります。平日夜の時間にデザートでもつまみながら、あるいは部屋で筋トレでもしながら、まずは気軽に新しいチャレンジの扉を開いてみてはいかがでしょうか。
ビジネスシーンごとに必要な用語をピンポイントで学ぶ
ビジネスに出る英単語
推薦:島田亮
ビジネスで使える英語力を鍛えようと、多くの方々が、何をどこから始めればよいか悩まれるのではないでしょうか。ビジネスの場面においては、日常会話と異なり、単純に英単語を並べて、やみくもに学んでもすぐには活用するのは難しいものです。数多くある言葉の中でも様々なシーン、そして領域(ヒト・モノ・カネ・情報)で最低限の知っておくべき言葉とその意味を押さえておきたいものです。本書はビジネスシーンで汎用的な2500用語を具体的ビジネスシーンの事例と共にまとめたいわゆるビジネス英単語集、"ビジ単"です。つまり、自分が必要と思うビジネスシーンから必要な用語をピンポイントで網羅性を持って学べます。ビジネスの第一線で英語を活用しながら活躍する著者により、具体的且つ汎用的なビジネス事例をベースに学べる1冊。筆者も本書記載の単語を集中して学ぶことで、BBC、TED視聴の理解、英語ネイティブスピーカーとのビジネスミーティングなど、様々なシーンでその有効性を実感しています。
伝える力と書く力を上げてくれるベストセラー本
The Elements of Style by William Strunk and E.B.White
推薦:小早川鈴加
英文を書く際のクラシックな必読書として長く愛されてきた一冊。もともとはコーネル大学の教授が学生向けに配布していた「英文の書き方指南」をまとめたもので、米国におけるロングセラー&ベストセラーです。きちんとした英語で調査レポートや論文を書く必要のある方、こなれた応募エッセイを書きたい方、文章構成の基礎を学んでTOEFLなどの点数を上げたい方などに向いています。薄いながらも、伝える力と書く力を上げてくれる本です。
純ジャパニーズが、楽しく英語を上達させる近道とは?
「銅メダル英語」をめざせ!~発想を変えれば今すぐ話せる
推薦:伊藤紀行
米国のトップスクールでMBAを取得し海外企業でも働いていた著者が、苦手な英語を克服した自身の体験を基に書いた本書。コミュニケーションに最低限必要なレベルを「銅メダル英語」として、何をやるのが近道で何をやらなくてよいのか、いかに楽しんでやるか、丁寧に説明しています。特筆すべきは、リスニングや発音、文単位で話すスピーキングなど日本人が苦戦しがちな分野について、「最初のうちは疑問文は使うのをあきらめる」など、身の丈に合った手法を紹介していること。発売当初、「純ジャパニーズ」でありながら仕事で英語を使う必要に迫られた私にとって、この本はまさに救世主でした。著者が”楽しみながら”上達する手法として絶賛する「フレンズ(FRIENDS)」全238話を3回見て日常会話の表現を覚えたことに始まり、すきま時間に自分の頭に浮かんだ考えや感情を英語でどう表現するかを考える「ひらめき」法の実践など、愚直に取り組んでいきました。その結果、私は著者のいう「TOEICや英検の点数が意味をもたない世界」に足を踏み込むことができました。読者の皆さんも、この本のアドバイスをもとにぜひ一歩を踏み出しましょう!