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第11回 『本質を見抜く「考え方」』ほか

投稿日:2008/04/15更新日:2019/04/09

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「迷い」は将来への投資ととらえよ――。本質を見抜く考え方のスキル、姿勢や心構えを53項目にまとめた一冊や、米国の高校生向けで、数学が苦手でも理解できる経済学の教科書を紹介。1万冊読破を目標に掲げるグロービス経営大学院副研究課長・田保善彦による「タクボ文庫」第11回。

今年は東京、大阪のグロービス経営大学院に120名以上の方がご入学されました。また、グロービス経営大学院の前身プログラムであるグロービスオリジナルMBAプログラム( GDBA )を含めると、東京、大阪、名古屋で、150名以上の方々となります。4月の第1週、第2週の日曜日に三つのキャンパスで入学式がありました。それぞれ個性的で素晴らしい入学式になりました。

入学に際して、3月の終わりに、東京、大阪、名古屋それぞれのキャンパスで、オリエンテーションが開催され、私は当日大阪で参加しました。

オリエンテーションは、これから先のキャリア・人生を考えるセッションから始まります。「どんなリーダーになりたいのか?」「現状の自己評価は?」「なぜMBAを学ぶのか?」などについて、まずは、個々人で自分の考えを文字に落としていただきました。その後、2人組みになって意見交換。話を聞いた側が共感したこと、感銘を受けたことを発表してもらうという形式で進めました。ほめてもらった側が、恥ずかしそうな笑顔を見せられているのが印象的でした^^

その後は、事前準備をしてきてもらっている自分プレゼン。皆さん本当に個性的で、示唆に富んだ素晴らしいプレゼンを拝見することができました(高校の先輩に土光敏夫さんという方がいらっしゃって…というエピソードもありましたので、素晴らしい本を番外で一冊ご紹介しておきます。『経営の行動指針−土光語録』 土光敏夫・著 本郷孝信・編 産能大学出版部・刊 1996年)。

最後は、2008期生WAYと行動規範をつくるグループワーク。約1.5時間の学生のみのセッションで本当に素晴らしいWAYが完成しました。

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■GMBA大阪2008期生の理念

・私たちは、お互いの想いと学びを高め合い、情熱と意欲をもって世界へ挑み続けます。

・−伝説の2008期生−

■GMBA大阪2008期生の行動指針

・私たちは、当たり前のことを地道に愚直にやり続けまっせ

・私たちは、目標に対する結果を出しまっせ

・私たちは、遠慮せず、否定せず、ほめ合い、指摘し合いまっせ ======================================================

大阪の入学式では最後に、このWAYを同期の皆さん全員で唱和されていました^^

では、今回も2冊の本をご紹介します。

『本質を見抜く「考え方」』 中西輝政・著 サンマーク出版・刊 2007年

「考え方」という言葉がタイトルに付いた本は、世の中に本当に沢山出ていると思います。私もこの種の本はかなりの数を読んだ気がしますが、その中でも、これはとても優れたー冊だと思います。

カバーにはこんなことが書かれています。

正しい「ものの見方、考え方」というのは、できるだけいろいろな立場や視点からものごとに光を当て、曇った眼鏡や色眼鏡、歪んだレンズでものごとを見ないようにすることから始まります。そのために何が大切かというと、すでにできあがっている他人の考え方に染まらないで、いかに「自分の頭」で考えるかということです。

本質を見抜くために、どんなことに注意すると良いのか。53項目に分けて書かれています。単なるテクニックではなく、考える姿勢や心構えといった部分にも光が当たっているところが素晴らしい。印象に残ったものをいくつかご紹介します。

考え方01 「自分」とは何か

自分を見る鏡が歪んでいたら、ほかのものを見る歪みに気がつかない。すべてのものの見方・考え方は、正しい自画像を出発点にして始まる。

考え方03 「宙ぶらりん」に耐えること

人は答えが出ないことに耐えられず、早まって誤った判断を下すことが多い。正しい判断のためには、しばらく答えがでない「宙ぶらりん」の状態に耐える習慣づけが必要である。

考え方21 「迷い」は将来への投資ととらえる

人間は、つねに相反する二つのものを持ち、自分に問いかけていくべき存在だ。その中で悩み、惑い、試行錯誤することこそ、考えを広げ、深める訓練の場になる。

考え方53 「日本人」を明確に意識する

自画像をはっきり持てば持つほど、ものごとをしっかり考えられる。アイデンティティとは「心の持ち方」なのであり、そこの安心感や勇気がわいてくる。

是非、是非お読みいただきたい一冊です。

『アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ』 ゲーリーE.クレイトン著 大和証券商品企画部・訳 大和総研教育事業部・監訳 WAVE出版・刊 2005年

経済学と聞くと、「難解で、小難しい数学も出てくる。しかもあまりビジネスには役に立たない」といったイメージを持たれる方も多いかもしれないですね。そんな方に是非オススメなのがこの本です。米国の高校生向けに書かれた本ですから、難しい数学はまったく出てきません。図、表、絵なども豊富で、基本的なことが本当に分かりやすく書いてあります。“分かりやすさ”をうたった本は、どうしても細部がいいかげんになりがちですが、この本はかなりしっかりしていると思います。

米国は州によってだいぶ教育の状況が違うという話を聞いたことがあるので、全米で、網羅的にこの内容を高校生に教えているわけではないと思いますが、それにしても、これを高校の教科書として活用しているとは驚きです。日本の高校の教科書を確認したわけではないので、確かなことは分かりませんが、日本との違いはかなり大きいのではないかと思ってしまいます。全ての人間が、ある経済メカニズムの中で生きているわけですから、もっとその仕組みを理解したほうがよさそうですよね。

こんな話ではじまります。

第1章 経済学とは何か

1.希少性と経済学

この世には、真実とは異なり一見「ただ」と思われるものが多くある。例えば、レストランで友人に「一食無料ランチ券」でおごってもらうと、「ただ」の食事をごちそうになったと思うかもしれない。その場では、代金を支払っていないが、誰かが農民に肥料代金を、トラック運転手に運送代金を、料理人に調理代金を、ウエイターやウエイトレスにチップを支払わなければならない。その「誰か」とは誰なのか?驚くかもしれないが、その誰かとはあなたかもしれないのだ。

経済学の知識が必要と、少しでも感じている方、オススメです。

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