山口英彦 グロービス経営大学院 教員
サービスを制するものは、ビジネスを制する Part3/6
投資発想と費用発想
「サービス現場の目線」と「戦略経営の目線」は異なる。現場目線では、独自性の乏しい、人の頑張りに依存するビジネスになりがちである。時間軸や広範囲の視点をもち、一見非合理な戦略的判断をすること、身の丈を超えた投資をして踏ん張ることが時に必要となる。サービスにおける投資発想と費用発想について(肩書きは2015年2月13日登壇当時のもの。視聴時間16分52秒)。
【ポイント】
・事業には、身の丈を超える投資をして踏ん張る時期が必ずある
・費用発想はすべての支出はコストと考える。投資発想は長期間で見てトータルのキャッシュフローを大きくすることを考える
・ヤマト運輸の小倉氏の投資発想。「サービスが先、利益は後」という有名な言葉
・サービス現場が長いと費用発想、ものづくりやオーナー企業は投資発想が多い
・ヤマト運輸が宅配を始めた当時、競合の大手企業は費用発想で慎重に投資した。そのためヤマトはピンチにならなかった
・サービスは模倣されやすい。模倣困難性を築くのが困難
・ビジネスモデルと事業計画は違う。ビジネスモデルは競争優位性の観点が欠けている
・人が組織文化が優位性となるのはPLCの後半。それ以前は、別の目に見えるもので優位性がないと難しい
・セブン銀行は、来店客数に多いところにATMを置いて開始したが、客数は無視して地方まで全店舗に置くことで顧客に感動を与え、客が増えた
・品質と価格はトレードオフ。しかし、非合理でも最終的に利益になる好循環をつくれる場合もある
・「サービス現場の目線」と「戦略経営の目線」は違う。現場目線では、独自性の乏しい、人の頑張りに依存するビジネスになりがち。時間軸や広範囲の視点をもち、一見非合理な戦略的判断を