Back To Basics -「どこに行っても通用する人」になる法則

ビジネス基礎力とは

司会: 今回の授業はグロービスが教える「どこに行っても通用する人」になる法則、というテーマで1時間お届けします。先生をご紹介いたしましょう。グロービス経営大学院教員の荒木博行先生です。

荒木: よろしくお願いします。

司会: 先生、今回のテーマ「どこにいっても通用する人」、私もぜひなりたいんですが、1時間受講すると、どんな勉強をすることができるのでしょうか。

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荒木: そうですね。基礎力が今回のテーマで、7月に出版した『グロービス流ビジネス基礎力10』という本をベースにお伝えしたいなと思います。具体的に基礎力って何か、どんなことを意識したらそれが鍛えられるのかなど、テーマを絞ってお話しできればと思っています。

司会: では、もう読んだ方もまだ読んでない方もギュギュっとつまった1時間になっているということですね。

荒木: そうですね。

司会: ぜひ皆さん1時間楽しんで受講してみてください。それでは、お願いします。

荒木: まず初めに簡単に自己紹介させていただければと思います。実は1年前にスクーさんで登壇して、『ストーリーで学ぶ戦略思考入門』という本の内容紹介をさせていただきました。現在は、グロービスでクラスを教えるとともに、2014年10月に立ち上がったオンラインMBA(詳しくはこちら)の統括責任者という立場で、ビジネスも教員もやっています。

今日お話しする内容もできるだけ私自身が直面している話や、教員としてビジネススクールにいらっしゃる方とのディスカッションを通じて感じる話などを議論できたらなと思っております。

荒木:
 『グロービス流ビジネス基礎力10』という本ですが、基礎力を全10章に分解して説明している本なのですが、共著というかたちでグロービスの教員が手分けして書いた本なんです。そのうち4章分(1、2、4、7章)を私が書きました。

司会: だからグロービス流ビジネス基礎力なんですね。

荒木: そうですね。さて、まずイントロでなぜ基礎力なのか、それから「論理思考力」「仮説思考力」「情報収集力」の3つのポイントに絞ってお話させていただきます。

なぜ基礎力か?

荒木:この本のタイトルでもあるように、「27歳からの」とありますが、27という数字にこだわりはありません。ただ、大体仕事を1周して「まぁ、やることは大体わかったけど、このままでいいのかな?」という、キャリアの壁に直面することがあります。もちろんもっと若い人もいれば、もう少し後になってからの人もいます。私もスクールで「問題意識」というのはいろんなところで聞きます。例えば以下のようなものです。

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こういった問題点の根本的な課題は大体3つぐらいに整理できます。これがぐちゃぐちゃになって思考がぐるぐる回っているというところが問題かなと思っています。

相談に来られる方の多くはこの3つがごちゃっとなっていて、1回整理したほうがいいよね、となります。そこで皆さんにも聞いてみたいんですが、皆さん自身があえてこのフレームに整理してみると、3つのうちどれに問題意識・関心が高いかを聞いてみたいと思います。

その根本的な課題:

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<参加者とのやりとり (07:18~09:18)>

司会: いかがでしょうか。先生、意外だったとおっしゃっていましたが。

荒木: そうですね。大体[1:To Be]もしくは[2:What]ですね。どなたか言われていましたが、[1:To Be]が整理できて、[2:What]、[3:How]という順番で考えますが[1:To Be]は相当難しいんですよ。

司会: どうなりたいのか、っていう部分ですね。

荒木: これ、一生かけて追及していくぐらいのテーマだと思います。ただ、周囲を見ると難しいはずなのに、一生懸命能力開発に取り組んでいる人がいる。そうしたら「自分もやらなきゃ」と焦りを感じて、[2:What]のところも考えてしまうんですね。その場合の問題意識として、2つにわかれます。

その1つが、「A:いろんな力に取り組んでみる」というのと、もう1つはその逆で「B:これだ、というものに絞り込む」ということ。もちろんこの中間もあるんですが、方向性としては大体この2つに分かれます。

2つの大きな方向性:

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Aはセミナーがあったら参加するとか、面白そうなイベントがあれば行くみたいな、そういうパターンですよね。Bは、もう私の生きる道はこれです、と決めちゃう。しかし、どちらにもリスクはあります。

このリスクに対するジレンマを解消するためには1つ大事なキーワードがあって、それはこのAとB、このどっちでもない、もう1つの道というのがやっぱり基礎なんです。どっちの道でもいいんだけれども、その前に腕立て、腹筋という基礎はちゃんとできてますか?という話。要するに基礎がなければやっぱり遠回りになっちゃうんですよね、結果的には。だからスポーツを見て、「ああゆうプレイしたいな」ってあこがれは当然あるんですが、いきなりそういうファインプレーの練習をしても、脚元おぼついてないよね、となる。だから[1:To Be]と[2:What]で迷うぐらいだったら、基礎のトレーニングをしっかりしようというのが、ここで伝えたいメッセージになります。

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なので、今回はそういうコンセプトで基礎の話をしていきたいなと思っています。基礎は、業種も立場も関係なく、はっきり言ってどれにも必要なんですよ。

この特徴は3つ。1つ目は陳腐化しにくいですね。時代の流れや環境の変化によって陳腐化しない。だから長い間使うことができるんです。2つ目は、汎用性。1つ目は時代の話ですが、2つ目は横の業界や立場に関係ないんですね。

3つ目が大事なんですが、若いときほど身につけやすいということです。経験を積めば積むほどやっぱり癖はついちゃうんですね。ベテランほど基礎のトレーニングが難しいもので、なるべく若いうちに基礎を確実にしてその上に専門性をつけていくことが大切ですね。それで、”若いとき”とは何歳かと聞かれるんですけど、これは年齢というより心の若さが大事。

基礎にもう1回戻ろうという気持ちになれる年齢は結構人それぞれ。ベースに基礎があってその上に専門性を乗せていく。これって当たり前のことで言い尽くされていることではあるんですが、ビジネスに没頭しちゃうといろんな道が見えてきてしまうので、改めてここの話を申し上げたということです。

基礎力の特徴:

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司会: 若いときほどというか、凝り固まる前にみたいなイメージですかね。

荒木: そうですね。

司会: 先ほどのファインプレーの練習ってそれは練習じゃないような、なんてコメントもいただいておりました。そして、社会人基礎力とか人間力とか、そういう力系が多すぎてもうわからないなんてコメントいただいたハヤシさんもいらっしゃいますが、いろいろ先生の言葉が刺さりますとオオシマさんも言っていただいています。

荒木: ハヤシさんからさっそく質問きてますね、

質問A(ハヤシさん): それぞれの人に強み弱みがある中で、すべてを鍛える必要があるのでしょうか。

荒木: 強み弱みはベースの上に積み重ねていくことなので、当然強み弱みっていうのは大事なんですよね。それはもう本当に伸ばしたほうがいいとことは間違いないんですけれども、1つ感じるのは、ベースがない強みっていうのは意外にもろいってことなんですね。だから、ベースの力があってその上にいろんな強み、ユニークさが乗っかっていくっていうことがトータルとして、長く通用する強みになってくんです。

このベースがぐらついてる中で、ぽっとした、相対的な強み、強みって相対的なんで、周りの環境で、「あっ、これが強みかも」ってなってるのは、悪い話じゃないんだけれども、そこはさらに基礎っていうことを意識されたほうがいいと思います。

質問A(ハヤシさん、続き):基礎とは最低限という意味ですか

荒木: そうですね。

司会: やっぱり、そういう平均してちょっと跳び出ているものというよりは、ベースの部分をしっかり積み上げられてくっていう。

荒木: はい。決して金太郎飴になろうっていう話ではなくて、そんな意味で使ってます。

司会: 強みを生かすためにも基礎を鍛えていくっていうことですね。

荒木: はい。

司会: ありがとうございます。

※2014年にスクーで行った授業を元にGLOBIS知見録読者へ向けてテキスト化したものです。

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