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MBA経営辞書「顧客インサイト」

投稿日:2013/09/30更新日:2019/04/09

顧客インサイト(Customerinsight)

顧客の深層心理に対する洞察。通常は消費財で多用されることから、消費者インサイト(Consumerinsight)、または単にインサイトとも呼ばれることもある。

市場が成熟化しており、ありきたりの方法では商品の差別化が難しい市場においては、アンメットニーズ(満たされてないニーズ)を充足し、顧客への新しい価値を提供する必要がある。アンメットニーズには、(1)明らかに皆が不満に思っているが、何らかの理由で満たされていないニーズか、(2)皆が気付いていなかった意外な盲点にあるニーズの大きく2種類がある。

(1)を満たすためには、複雑な事情や構造的な問題を解決する必要があり(例:首都圏における待機児童増加の解消)、一企業のマーケティング努力だけでは実現できないことも多い。一方、(2)はマーケターの顧客に対する的確な洞察から新商品開発などに導くことも可能である。

有名な事例としてはソニーの「ウォークマン」がある。「音楽を携帯したい」というニーズは、消費者自身も気付いていなかったが、盛田昭夫氏の洞察によりヒット商品になった。アキレスの運動靴「瞬足」は、運動場や体育館を走る際は常に左回りであるという条件をいかし、左回りに特化したデザインを取り入れ大ヒットを記録した。「運動会でコーナーを転ばずに上手く走りたい」という子供たち自身でさえ言葉にできないニーズをくみ取り商品化につなげたものである。

消費者自身も気付いていないアンメットニーズに関する調査は、顧客も気づいていないがゆえに、「こういう商品があったら欲しいですか?」という質問は必ずしも有効ではない。それを知るための方向性は大きく2つある。A:聞き方の工夫をして消費者に聞く、B:聞く以外の方法で探る、の2つである。

A:の聞き方の工夫の例としては、「○○にたとえると何か?」「無人島に何か1つだけ持っていけるとしたら何を持っていく?」などがある。暗黙で置いていた前提を取り払ってもらったり、普段は意識していない深層心理や、言葉にできない曖昧な気持や考えを表に出してもらったりすることを狙っている。

B:は、消費者の行動を観察して、その行動の意図を読み明かそうとするのが一般的である。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約800語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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