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MBA経営辞書「疑似相関」

投稿日:2012/04/09更新日:2019/04/09

疑似相関(Spuriouscorrelation)

通常、相関関係は因果関係があるがゆえに見られることが多いが、因果関係がないにもかかわらず、見た目上相関関係があるケースを疑似相関という。

疑似相関は、それぞれの変数に影響を与える第3因子の存在によって起きることが多い。「第3因子」とは、ある2つの事象の原因となっている因子のことだ。同じ1つの因子が、異なる2つの事象の原因となっているため、2つの事象の間に結果的に相関関係が生じ、因果関係があるかのような錯覚を与えてしまうのだ。

たとえば、ある大手書店では、ビジネス書の売上げのよい店の近所にはたいていコーヒーショップがたくさんあり、逆に、ビジネス書の売上げの悪い店のまわりにはコーヒーショップ店が少ない場合が多いという現象が見られたとする。ここで、「コーヒーショップに来た人が、ビジネス書を買うのかもしれない」という推論は正しいだろうか?おそらく両者の現実の因果関係は弱いはずだ。すなわち、「コーヒーを飲んだから(原因)、ビジネス書を読む(結果)」ということは必ずしも多くはないだろうし、その逆の「ビジネス書を買ったから(原因)、コーヒーを飲む(結果)」ということもそれほど多くはないはずだ。

それにもかかわらず相関関係が存在するのは、「近隣にオフィスが多い(ビジネスパーソンの利用が多い)」という共通の原因、すなわち第3因子が存在するからだと思われる。つまり、「近隣にオフィスが多い(原因)からビジネス書がたくさん売れる(結果)」と、「近隣にオフィスが多い(原因)からコーヒーショップがたくさんある(結果)」という事象が重なって、書店の店舗ごとのビジネス書の売上げと、近くにあるコーヒーショップの数に相関関係が生まれたと考えられるのである。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約800語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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