システマティック・リスク/アンシステマティック・リスク(SystematicRisk、UnsystematicRisk)とは?
システマティック・リスクとは、資産を増やしても取り除くことのできないリスクのこと(マーケットリスク、分散不能なリスクとも言う)。アンシステマティック・リスクとは、資産の数を増やすことにより軽減されるリスクのこと(ユニークリスク、分散可能なリスクとも言う)。
ポートフォリオを組むことでリスクを低減することが可能だ。しかし、無限にリスクを軽減できるわけではない。ポートフォリオによるリスク軽減には限界があるのだ。
事実、横軸にポートフォリオに含まれるリスク資産の数、縦軸にポートフォリオのリスク(標準偏差)をとってグラフを描くと、右下がりの下に凸の曲線になる。つまり、ポートフォリオに含まれる資産の数を増やしていくとポートフォリオ全体のリスクは軽減されていくのだが、ある一定の値に収束し、それ以下には下がらない。それがシステマティック・リスクの値である。
アンシステマティック・リスクは個別資産に固有の原因で発生する。たとえば、個別企業の戦略の巧拙や、経営陣のパフォーマンス、ヒット商品の有無などである。一方、システマティック・リスクは経済の好況不況や全国的な気候や災害など、あらゆる資産に影響を与える原因により発生する。
次回は「効率的フロンティア」を取り上げます。
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