経営者報酬(exectivecompensation)
経営者に対する報酬政策のこと。アメリカを始めとした欧米諸国では、経営トップに近づくほど固定報酬の割合が下がり、業績による短期・長期のインセンティブの割合が高くなっている。経営トップが組織の業績に及ぼすインパクトが高いことを考えれば、理にかなったことと言える。
一方で、特に短期的なインセンティブの比率を高くしすぎると、経営者が短期的な業績に過度に関心を向けてしまい、長期的投資を怠ってしまうなどの弊害も指摘されている。
日本ではこれまでは固定報酬の割合が高く、業績に基づくインセンティブの割合はごく小さかった。商法上の役員に対して支払われる賞与が企業の利益処分と見なされ、法人税課税の対象となり、コスト的に不利になることも要因だった。
しかし、先述したように日本でもストック・オプションが徐々に普及し始めている。また、近年では商法上の役員ではない執行役員制度の導入が増加していることもあり、トップマネジメント層の成果主義化は加速している。
次回は「階層別教育」を取り上げます。
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グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。