パレート分析(ParetoAnalysis)
構成要素を大きい順に並べた棒グラフと、それらの累積量(全体に対する百分率)を示す折れ線グラフを組み合わせることで、上位の一部要素が全体にどのくらい貢献しているかをみる分析方法。
ビジネスにおいて、物事を重要なものから処理する、あるいは改善感度の大きいものから手をつけることは非常に重要である。パレート分析は、こうした優先順位付けに大いに役立つ。また、各項目の順番だけでなく、累計が示されることにより、追加の手間や時間をかけることがどの程度意味があるのかを類推しやすくなり、やる・やらない、残す・切るといった判断がしやすくなる。一般に、「顧客の上位20%で売上高の80%を占めている」などのように、20-80の法則が読み取れるケースが多い。
たとえばパレート分析の結果、仮に、顧客100社中、上位5社で全売上高の70%を占めており、また売上高の大小とは関係なく顧客管理コストがどの顧客も同程度発生し、なおかつ経営上無視できない金額であったとしよう。この場合、思い切って顧客数を削減し、優良顧客に資源を集中することを考えてもよいだろう。
パレート分析は、かつてはABC分析と呼ばれるのが一般的であったが、近年ではコスト分析手法としてABC分析(ActivityBasedCosting:活動基準原価計算)が登場したため、それと明確に区別するためにパレート分析と呼ばれるようになった。
次回は「20-80の法則」を取り上げます。
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