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デプスインタビューとは?顧客の本音を引き出す究極のマーケティング手法

投稿日:2025/08/05更新日:2025/08/26タイマーのアイコン 読了時間 6分

デプスインタビューとは、潜在意識まで掘り下げて顧客心理を探る面接調査手法です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

デプスインタビューとは

デプスインタビューとは、通常の面接調査よりもずっと深く、相手の無意識や潜在意識にまで踏み込んで情報を得ようとするインタビュー手法です。

「なぜこの商品を選んだのか」「どうしてこのお店で買い物をするのか」といった質問に対して、多くの人は明確な理由を答えられないことがあります。実は私たちの行動の多くは、自分でも気づかない無意識のレベルで決まっているからです。

デプスインタビューは、そうした意識の奥底に隠れている本当の理由や感情を引き出すことを目的としています。標準化された質問項目に沿って進める通常の調査とは異なり、相手の回答に合わせて質問を柔軟に変化させながら、より深い洞察を得ようとする探索的なアプローチが特徴です。

なぜデプスインタビューが重要なのか - 表面的な答えでは見えない真実

現代のビジネス環境では、顧客の真のニーズを理解することがかつてないほど重要になっています。しかし、従来のアンケート調査や簡単なインタビューでは、顧客自身も気づいていない深層心理や潜在的な欲求を把握することは困難です。

①潜在ニーズの発掘で競争優位を築く

多くの企業が同じような商品やサービスを提供している今日、差別化の鍵となるのは顧客の潜在的なニーズを見つけ出すことです。デプスインタビューを通じて、顧客自身も言葉にできない「もやもやした不満」や「漠然とした願望」を明らかにできれば、それは新しいビジネスチャンスにつながります。

例えば、スマートフォンが登場する前、多くの人は「電話とメールができれば十分」と答えていました。しかし深く探ってみると、「いつでもどこでも情報にアクセスしたい」「手軽に写真を撮って共有したい」といった潜在的な欲求があったのです。

②マーケティング戦略の精度向上

表面的な調査結果に基づいたマーケティング戦略は、しばしば的外れになってしまいます。デプスインタビューで得られる深い洞察は、より効果的な広告メッセージの作成や、適切なターゲット設定に役立ちます。顧客の心に響く本当の価値提案ができるようになるのです。

デプスインタビューの詳しい解説 - 実践で使える深掘り技術

デプスインタビューを成功させるためには、単に質問を投げかければよいというものではありません。相手の心理状態を理解し、適切な質問技術を用いることが不可欠です。

①自由回答方式による柔軟なアプローチ

デプスインタビューの最大の特徴は、事前に決められた質問項目に縛られない柔軟性にあります。インタビュアーは相手の回答を聞きながら、その場で次の質問を考え、話を深掘りしていきます。

例えば「この商品を気に入っている理由は何ですか?」という質問に対して「使いやすいから」という答えが返ってきたとします。通常の調査ならここで終わりますが、デプスインタビューでは「使いやすいというのは、具体的にはどういう場面で感じますか?」「他の商品と比べて、どこが違うと思いますか?」といった追加質問を重ねていきます。

②非言語情報も活用した総合的な分析

経験豊富なインタビュアーは、相手の言葉だけでなく、表情や声のトーン、身振り手振りなども注意深く観察します。「特に不満はありません」と答えながらも、表情に微妙な違和感が見られる場合、そこにはまだ言語化されていない問題が隠れている可能性があります。

このような非言語的な手がかりを見逃さず、適切なタイミングで掘り下げの質問を投げかけることで、より深い真実に近づくことができるのです。

③インタビュー対象者の「気づき」を促進

デプスインタビューには、単に情報を収集するだけでなく、インタビューを受ける人自身に新たな「気づき」を与えるという側面もあります。様々な角度からの質問を受けることで、相手は自分の行動や感情について深く考える機会を得ます。

この気づきのプロセスこそが、真の洞察につながる重要な要素です。「言われてみれば、確かにそうですね」「今まで意識したことがなかったけれど...」といった反応が出てきたとき、本当に価値のある情報が得られることが多いのです。

デプスインタビューを実務で活かす方法 - 成功につなげる実践的な活用法

デプスインタビューは理論を理解するだけでは十分ではありません。実際のビジネスシーンでどのように活用するかが重要です。

①新商品開発におけるアイデア創出

新商品開発の初期段階では、まだ形になっていないニーズや不満を発見することが重要です。デプスインタビューを通じて、顧客の日常生活における「ちょっとした困りごと」や「あったらいいな」という願望を見つけ出します。

例えば、ある食品メーカーが冷凍食品の開発を検討していたとき、主婦を対象としたデプスインタビューで「忙しい平日でも、家族に手作り感のある食事を提供したい」という潜在的な願望を発見しました。この洞察が、「手作り風味」を前面に押し出した商品コンセプトの開発につながったのです。

②効果的な広告戦略の構築

広告やマーケティングメッセージを作成する際も、デプスインタビューで得られた洞察は非常に有効です。顧客が商品を選ぶ本当の理由や、競合商品に対して感じている微妙な不満などを理解することで、より響くメッセージを作ることができます。

また、顧客が使う言葉遣いや表現方法も重要な情報です。インタビューの中で自然に出てくる言葉は、その層の人たちに馴染みやすい表現であり、広告コピーやキャッチフレーズのヒントになります。

実施する際の注意点として、インタビュアーのスキルレベルが結果に大きく影響することを理解しておく必要があります。複数のインタビュアーが関わる場合は、事前に十分な意識合わせと目的の共有を行い、一定の品質を保つことが重要です。また、1回のインタビューで全てを理解しようとせず、複数回に分けて段階的に深掘りしていくアプローチも効果的です。

参考ページ

MBA経営辞書「デプスインタビュー」

  • GLOBIS学び放題×知見録

    編集部

    ビジネスパーソンの役に立つコンテンツをお届けすべく、取材、インタビュー、撮影、編集などを日々行っています。

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