ショールーミング(Showrooming)
消費者が、リアルの店舗で商品を確認したのち、その店舗ではなく、オンラインストアで購買を行うこと。リアルの店舗をショールームのように扱うことからこの名前がついた。消費者がこうした行動をとる背景としては、いきなりネットの店舗で買うことにリスクを感じるため、まずはリアルの店舗で実物を確認したいという考え方がある。また、通常は、ネットの方が安く買えるという事情もある。
この行為自体はネットによる購買が可能になった20世紀後半より存在していたが、特に昨今になって、スマートフォンの普及により激増するようになった。商材によっては、実物の商品ではなく、デジタルのバージョンを購入することもある。書籍などはその典型で、書店で見かけたものを数十%価格の安い電子書籍として購入するケースも多い。
消費者にとっては合理的な行動である一方で、リアル店舗にとっては、売上げダウンにつながるだけではなく、売れない在庫を持つことによる資金繰りの悪化や、店頭在庫の劣化、破損といった問題を抱えることになる。
リアルの店舗としては、価格を下げたり、リアルならではのサービスを付加したりすることにより、ショールーミングを避ける努力をする必要がある。また、OtoOマーケティングを行うことで、積極的に消費者をリアル店舗に呼び込む努力も必要になる。
昨今では、全く発想を変え、最初からショールーミングを前提とした店舗を作るなどといった対抗策も実施されている。