売上高広告費比率(Advertisingexpensestonetsales)
広告宣伝活動にどの程度、経営資源を投下したかを示す指標の1つで、「広告宣伝費÷売上高」で求められる。特にプル型のマーケティング戦略をとる場合には重要な指標である。
一般に、広告宣伝は、店頭でのプロモーション活動などと比べて販売促進に対する即時的な効果は弱いが、一度に多くの顧客に商品やサービスの存在を知らしめることが可能だ。また、広告宣伝をきっかけに、顧客の間でその商品・サービスに対する一定の評価が形成されれば、安定した購買が期待できるようになる。
そのため、多数の商品が乱立している業界では一般に、広告宣伝に多額の資金を投じる企業が多く、売上高広告費比率も高くなる傾向がある。他の業界よりも、広告宣伝を止めたときに認知率や市場シェアの低下度合いが大きいと言われ、競争上の理由から一定水準以上の広告宣伝費を維持する企業が多い。
この指標は自社商品・サービスの費用対効果を把握する場合にも役立つ。たとえば、商品ごとに売上高広告費比率を分析すれば、費用対効果が高い商品と低い商品との差が明確になる。広告投資比率が高いのに売上げに結びついていない場合、媒体の選択方法や広告内容を見直す必要がある。広告宣伝費の額だけではなく、好感度なども把握することが重要だ。
また、店頭プロモーションなどの広告宣伝以外の要因も売上高に影響を与えるので、売上高広告費比率とともに、広告宣伝に対する認知率などの指標を組み合わせながら、総合的に判断していく必要がある。
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