ケイパビリティ(Capability)
企業が全体として持つ組織的な能力。あるいは、その企業が得意とする組織的な能力。J・ストークらが提唱した。例としては、スピード、学習能力、高品質、人材育成力などが挙げられる。イノベーションやオペレーションの柱となる要素であり、競争優位性の源泉となりうる。
なお、コア・コンピタンスがバリューチェーンの特定の機能に関する強みを含意するのに対して、ケイパビリティはバリューチェーン全体に及ぶ組織能力を指し、相互補完的である。ただし、必ずしも明確に使い分けられるわけではなく、ほぼ同義に使用されることも多い。
ストークらは、競争の勝敗は、他社よりも優れたケイパビリティを構築し、これを状況に適応する形で発展させられるかどうかにかかっていると主張する。事実、ポジショニング学派が主張する差別化による競争優位性の構築が困難な昨今の状況下では、ケイパビリティを高め、戦略の実現性で他社に差をつけることの有効性は高まっている。
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