フリーミアム(Freemium)
Free(無料)から利益を生み出すビジネスモデルの一つ。ベースとなる商品・サービスを無料で提供し、その中で、何%かのユーザーが、有料のプレミアム商品・サービスを利用することで収益を得るモデル。フリーミアムと言う言葉は、「Free」と「Premium」の合成語とされる。「フリー」の著者でもある、「Wired」誌の編集長、クリス・アンダーソンらによって紹介され、広く知られるようになった。フリーミアムは、特に近年のウェブビジネスの中で、非常に高い収益性をもたらすモデルとして注目を浴びている。
フリーミアムの最もシンプルな形態は、無料のソフトウェアをまず多くのユーザーに利用してもらい、その中から、有料バージョンを購入してもいいというユーザーを見出すという方法である。
たとえば日本のSNS業者であったグリーは、当初は広告モデルによる企業からの収益がメインであったが、その後、個人顧客を対象に、モバイルの無料ゲームをベースとして、有料ゲームに移行してもらったり、少額のアイテムを購入してもらったりという課金の仕方をすることで急成長を遂げた。
なお、フリーミアムは、必ずしもウェブやモバイル独自のビジネスモデルではない。たとえば、通常の書店に置いてある書籍も、「立ち読み」という無料利用者から、お金を払って購入してもらう顧客を高い比率で獲得するフリーミアムモデルの一種ととらえることが可能である。あるいは、ダイニングバーなどの「女性無料デー」などは、女性のみが顧客であれば非効率的だが、現実には、男性同伴者を伴う女性が多く、結局、有料ユーザーを引き付けることになるため、一種のフリーミアムと考えられる。
▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。