効率的フロンティア(EfficientFrontier)
多数のリスク資産について、ありとあらゆる組み合わせのポートフォリオを作って、リスク(標準偏差)を横軸、期待利回り縦軸にとって各ポートフォリオをプロットしたとしよう。投資家は同じリスクであれば、より大きい利回りを期待できるポートフォリオを好むはずだ。つまり、自分が許容できるリスクに応じて、最大の期待リターンが上げられるポートフォリオを保有することになる。このポートフォリオが描く曲線を効率的フロンティアと言い、その曲線上の一群のポートフォリオを効率的ポートフォリオ(EfficientPortfolio)と呼ぶ。
なお、ここまではリスク資産のみを対象として議論してきた。現実には、国債のように、リスクのない資産(無リスク資産)が存在する。
無リスク資産とリスク資産を組み合わせた場合、資本市場線(CapitalMarketLine))と呼ばれる直線(無リスク資産(リスク=ゼロで、利回り=国債の利回り)から効率的フロンティアへ引いた接線)を引くことが出来る。接点は、マーケット・ポートフォリオと呼ばれる。
投資家は、与えられたリスクの中で、資本市場線上に乗るポートフォリオを組むことが、最も合理的にリターンを得る方法となる。
次回は「β(ベータ)」を取り上げます。
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