探索型リサーチ(Exploratoryresearch)
マーケティングリサーチの一種。仮説を検証することを主目的とするのではなく、新しいマーケティング機会を探り、仮説を構築するヒントを得ることを目的とするリサーチを指す。
近年、消費者のニーズはますます多様化し、また、モノ余りの中、ありきたりの商品では彼らの関心を引くことはできない。こうした中で、漫然と頭の中だけで、あるいは自分の狭い経験の範囲の中だけで新商品の企画を考えても、顧客のニーズに応えられるものが出てくる可能性は低く、効果的ではない。
そこで用いられるのが、まずはどのような事業機会があるのかを、顧客へのリサーチをベースに探り当てるための探索型リサーチだ。
探索型リサーチでは、最終的には統計処理なども行うが、それと並行して、深層心理にまで迫るような対面インタビューを行い、顧客自体も明確に意識していない潜在的ニーズを把握しようとすることが多い。また、定期的に同じテーマで調査を行い、時系列の変化を見ることで、新しいニーズを発見しようとするアプローチも多用されている。
なお、探索型アプローチは、新しい仮説を生み出すためのアプローチであるが、リサーチである以上、事前にある程度の初期仮説を持っておくことはやはり必要だ。また、どうすれば作業が効率的に行えるかという作業仮説自体は当然持っておくことが望まれる。初期仮説の立案に当たっては、二次データを使った文献調査や、関係者(例えば、小売店であれば店長やフロア管理者など)へのヒアリングなどを通して課題に対する理解を深めておくと効果的だ。
次回は「検証型リサーチ」を取り上げます。
▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。