プット・オプション、コール・オプション(putoption,calloption)
プット・オプションは売る権利であり、コール・オプションとは買う権利を意味する。
例えば、現時点で100円のA社の株式を保有しているとする。そして、将来的な株価下落の可能性を避けたいと考えている。そこでこの時、行使価格100円・行使期間1年のプット・オプションを買うと「一年後に100円でA社の株を売る権利」を手に入れることができる。
ここで実際に株価が80円に下落したとすると、プット・オプションを行使して、A社の株式を100円で売却する。一方、株価が120円に上昇した場合、A社の株式は市場で120円で売れるわけだから、わざわざ100円で売る必要はない(権利は無価値)。このようにプット・オプションを購入することで、株価の下落リスクを回避することが出来るのである。
逆に、例えば、現時点で100円のA社の株式を保有したいとする。しかし、実際に購入すると将来的に株価下落のリスクを負うことになるのでそれは避けたいとする。ここで、行使価格100円・行使期間1年のコール・オプションを買うと「一年後に100円でA社の株を買う権利」を手に入れたことになる。
株価が120円に上昇した場合、コール・オプションを行使してA社の株式を100円で購入し、市場で売却すれば20円の利益を得ることが出来る。一方、株価が80円に下落したとすると、コール・オプションを行使して100円で購入する意味がないので、行使しない(権利は無価値)。コール・オプションを購入することで、株価の上昇メリットを享受することができるのだ。
次回は「スワップ」を取り上げます。
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