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MBA経営辞書「補完財」

投稿日:2008/06/30更新日:2019/04/09

補完財(complement)

ある製品やサービスに対して、互いに補完しあうことで消費者が効用を満たす、あるいは効用が高まる製品やサービスを補完財という。例として、カメラと写真フィルム、食パンとジャム、DVDソフトとDVDプレーヤーなどがある。
こうした関係が典型的に見られるのが、ハードとソフト(メディアとコンテンツの関係、インフラとアプリケーションの関係などもこれに近い)、機械と消耗品などである。
これらのいずれかを手がける企業は、自社の製品・サービスのみならず、補完財の市場拡大をも支援する(あるいは自ら補完財事業も手がける)ことが戦略的に重要となることが多い。たとえば、ソニーはプレーステーションの市場を拡大するため、ソフトメーカーに支援を行ったり、自らソフトの開発を手がけたりした。写真フィルムメーカーが、ミニラボ事業を手がけるのも同様の発想である。
なお、ある製品・サービスが、代替財としての影響を強く与えるか、補完財としての影響を強く与えるかは、必ずしも事前に予測できないことも多い。レンタルCDという業態は、当初、新作CDの売上げに悪影響を与えると考えられたが、実際には音楽市場を拡大する効果のほうが大きかったといわれている。
なお、経済学の世界では、一方の製品・サービスの価格が上昇すると、他方の製品・サービスの需要も増す場合に互いに補完財の関係にあると考える。

次回は「職能別組織」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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