G1経営者会議2016
第7部全体会A「テクノベートがもたらす新たなパラダイム ~日本企業の競争優位の構築に向けて~」
あらゆるものがインターネットにつながれ、ビッグデータの指数関数的拡大と解析技術の発達が、人工知能やロボット、IoTの進化を加速している。製造業や金融、教育、不動産をはじめ、産業構造は根底から変わりつつあり、その潮流は、組織や働き方にも大きな影響をもたらしつつある。テクノベート(「テクノロジー」×「イノベーション」)の時代、日本企業が競争優位を構築するために、経営者が取り組むべき行動とは何か。松野博一大臣を迎え、新たなパラダイムを好機とするための打ち手を議論する。(肩書きは2016年11月3日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
松野氏: ご紹介いただきました、文部科学大臣の松野博一でございます。G1経営者会議2016の開会をお喜び申し上げるとともに、各界のリーダーの皆さまの前でお話させていただく機会をいただいたことに、感謝を申し上げます。グロービス経営大学院の堀学長はじめ、皆さま方の開催に向けてのご尽力に心から敬意を表するものであります。
今回のテーマは「テクノベートがもたらす新たなパラダイム ~日本企業の競争優位の構築に向けて~」ということで、この分野の文部科学省との関わりとして、本来は高等教育のグローバル対応や、Society 5.0の執行に関して、また、中核技術である人工知能等についてお話するのが一番テーマにそっているかもしれません。ですが、これらの課題に関しては、すでに私よりも皆さまの方が高い見識をお持ちかと思います。
影響力のある皆さまにお話ができる貴重な機会ですから、私からは今日の日本の教育、特に学校教育が抱える構造的な問題についてお話をさせていただきたいと思います。
一つ目の課題は、学校・家庭・地域の教育に対する役割分担の問題です。この問題は安倍総理直属の、教育再生実行会議という教育問題について語る有識者会議がございます。そのテーマの一つであります。例えば、日本の学校教育の象徴的なことは・・・堀さん、恐縮ですが、元気よくここから歩いていただけますか。
(堀学長、元気よく手を振って壇上を歩く)
どうもありがとうございます! これは何かと言うと、いかに日本の学校が生活にわたるすべてについて伝えてきたかという象徴で、歩き方も明治に学校が普及させたのです。江戸時代の日本人の歩き方というのは、手を振らずに歩くか、もしくはこうやって・・・右手と右足を同時に出す動き方でした。これは、今も日本の舞踊や古武術の世界に残っているものです。(この続きは動画でご覧ください)
※本セッションの内容は、GLOBIS知見録「読む」でテキスト版をご覧いただくことができます
第1回 教育とは未来に向けた投資であり、社会政策であり、経済政策である~松野博一文科大臣講演
第2回 「正解至上主義」はもう限界、「納得できる解」を求める教育を~藤原和博さんの論点
第3回 ソニーコンピュータサイエンス研究所だがソニーのことだけ考えるな!~北野宏明さんの掟