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前回は社内でものごとを進めていくために、健全な根回しをする、共に闘ってくれる人をつくるという話をした。今回は、戦略の実行度を上げるためのアクションプランの作り方についてみていこう。

一般的には目的を定め、全体日程、予算などの概略を決め、メンバーをアサインし、それらに従って詳細を詰めていく場合が多い。大切なのは自分の頭の中で動画が流れるイメージがわくようにプランニングするということだ。

具体的に個人名をあてはめ、Aさんはこのように動く、Bさんはあのように動く、Cさんは……。いつ頃までに何ができそうで、最悪のシナリオは、と考えていくのである。

イメージすらできない場合は実際にプロジェクトも動かない可能性が大きい。そして、このようなプランを作るためには関係者の力量を把握しておかなければならない。関係者を具体的に想定しないと、どうしても人数あわせのみで考えてしまう。ビジネススキル、マインドセットなどを含め、少なくともキーパーソンについては十分な理解をしておくことが重要だ。

個別の案件とはいえ、会社のミッション、ビジョンとの整合性を担保しておくことも忘れないようにしたい。厳しい状況になればなるほど、人はその仕事に意義や意味を求め始める。

何のためにやっているのか、何のためのプロジェクトなのか。その際、リーダーが会社のミッション、ビジョンとの関係性を明確に語り得ない状況となると、人はついてこない。

次に大切なのは、やらないことを決めること。通常、プランを作成する場合、やることは決めるが、やらないことを決めるのは少ない。結果的に、特に経験の少ないメンバーは局所的に過剰な検討をしたり、過剰なスペックを追求したりしがちになる。これは若手の育成を考えれば否定されるケースばかりではないかもしれないが、全体最適に観点からは留意が必要だ。

さらに、今回の案件はどのレベルまで達成すれば、何が実現されれば成功なのかといった判断基準を最初に明確にしておくことも極めて大切だ。状況の変化の大きさによっては、判断基準そのものを見直さなければならないが、そうでない場合、判断軸がぶれているように、または場当たり的な判断のようにメンバーが感じてしまうのは最も避けなければならない。

小刻みなマイルストーンを設定することも忘れないでほしい。マイルストーンを設定することでプラン進捗などを確認できるほか、関係者の意識統一にも役立つ。それまでの進捗を認め、メンバーをほめるきっかけにもなる。

多忙、コスト削減などを理由に会社のメンバー同士で飲食を共にする機会が減っている企業が増えているという話をよく聞くが、小さい成功(スモール・ウィン)に対し、こまめに祝福をしていくなどのことはとても大切だ。

最後に最も重要なことで今回を締めくくる。それは、大きな環境変化があった時にはプランそのものをゼロベースで見直し変更する勇気を持つということだ。

特に組織が大きくなると、1度決めたことは変えられないという呪縛にとらわれがちだ。特定の個人が悪いわけでなく、日本企業の場合、その場の空気が支配してしまうのだ。これを打破するためには最初からプランの中に、プラン自体の見直しをするタイミングを決め、埋め込んでしまうのだ。見直しを織り込んだプランの作成、ぜひ試してみていただきたい。

 

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※この記事は日本経済新聞2013年11月20日に掲載されたものです。 (Cover photo: shutterstock / Ismagilov)

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