キャッシュ・フロー計算書で減価償却費を加算するのはなぜ? 

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前回のコラムでキャッシュ・フロー計算書(以下、CF計算書)の3つのポイントを解説しました。多くの方はCF計算書の作成に携わることはないと思いますので、このCF計算書を読む際のポイントを理解しておけば十分だと思います。

一方で、CF計算書の作成について質問を受けることも少なくありません。よくあるのが、「減価償却費を加算するのはなぜか?」という質問です。CF計算書の営業キャッシュ・フロー(以下、営業CF)を計算する際に、税金等調整前当期純利益(以下、税前利益)に減価償却費を加算します。一般的な説明では、「減価償却費は、費用は発生してもおカネは動いていないから足し戻す」とされています。これはもちろん間違いではないのですが、質問者の多くは、「なぜ、おカネが動いていないのに足し戻すのか?」という点に疑問を持つようです。おカネが動いていなければ加算もしなくて良いのではないか、ということですね。

これは、CF計算書の作成方法に原因があります。多くの会社は、「間接法」という手法でCF計算書を作成しています。間接法とは、P/LとB/Sの数字から間接的にCF計算書を作成する手法です。CF計算書の営業CFの計算は、P/Lの税前利益からスタートしていることが特徴的です。例えば、以下の場合を考えてみましょう。

この場合、会社が得たおカネは100です。ところが、間接法によるCF計算書では(税前)利益40から計算が始まります。営業CFの計算は、言わば(税前)利益を営業CFに読み替える調整計算です。つまり、何も調整を入れないとすると(税前)利益がそのまま営業CFとなってしまいます。この例では、営業CFが40となるのです。お気づきのように、営業CFの計算が、おカネを支払っていない減価償却費が控除された(税前)利益からスタートするため、おカネの出入り額に調整するためには減価償却費を足し戻す必要があるという訳です。

減価償却費に限らず、減損損失や賞与引当金などのおカネの動きを伴わない費用も同様に営業CFの計算では加算されます。このようにお金の動きを伴わない費用のことを「非資金費用」と言います。
 

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