クリティカル・シンキングは何歳から学ぶべき?――講師座談会 

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グロービス経営大学院の超人気講座「クリティカル・シンキング」――。仕事を進めるための論理思考術のパワーを知り、目から鱗が落ちるような衝撃体験をする人も少なくない。普段は社会人向けに教えるクリシン講師陣に、「クリシンは何歳から学ぶべきか?」という問いを投げかけてみた。(司会・構成: 水野博泰=GLOBIS知見録「読む」編集長)

クリシンとは何か?

司会: 初めに聞きたい。クリティカル・シンキング(クリシン)とは何か?

髙原康次

髙原康次: 「問い」をきちんと立てて考えること。高校生までは「問い」は与えられ、その答えを考える。クリシンは、自分で「問い」を立てることから始める。さらに、その問いに答えるための「問い」を立てるというハイレベルの思考法だ。

井尻淳: 頭を整理して結論を導く、結論を出して行動するための考え方。

内田圭亮: 物事をより良く考える、そもそも何を考えるべきかから考える、突き詰めて考え抜くということ。

司会: 皆さんが大学生の頃はどうだったか?

高原: 私は司法試験に挑戦しようとしていたが、白状すると、論文をロジカルに書くことができなかった。今振り返ると恥ずかしいが、問いが何を問うているのかという意味や、その問にはどのような論点が含まれているのかということが考えられていなかった。当然、点数が上がらなかった。あの時、クリシンを学んでおけば…(笑)。

内田: 大学生の頃は、「論理的」ということの意味が分かっていなかった。論理学の授業があったが、いろいろな論理記号が出てくるもので、記号を駆使した考え方なのかなという印象しか残っていない。

高原: 私は「自分は論理的だ」と思っていた。しかし、社会人になってからクリシンを学んだら全く違うことに気づいて愕然とした(笑)。

内田圭亮

内田: 特に理系の人は、すごく論理的に語っているんだけど、その考え方はビジネスの世界では通用しないよというケースがままある。数学とビジネスでは、論理的ということの意味が違う。

井尻: 僕はまさにそれ。数学科だった(笑)。学生時代の僕にとって、論理的というのは、100通りの場合分けで1個抜けていたら不正解という世界。全く漏れがないことがロジカルなのだと思っていた。しかし、就職活動の時も社会人になってからも、それだけではうまくいかないことが多くなっていった。

社会人として論理的に考える際に絶対不可欠なことは、「人」という要素を加えることだ。他人の動きに合わせて自分の行動を変えるということは、大学時代の僕には全く無かった発想だ。100通りの場合分けをすれば必ず正解に辿り着けるという考え方のままで、何度か大きな失敗をした。発想の転換を迫られた。

何歳からクリシンを学ぶべきか?

司会: では、何歳からクリシンを学ぶべきか?

井尻淳

井尻: 早ければ早いほどいい。クリシンは「知識」ではなくて「考え方のフォーム」だ。間違ったフォームで考えているとクセになってしまい、なかなか修正できない。それこそ小学生から始めても良いと思う。

高原: 知人のお子さんに、とてもロジカルに話す小学3年生がいる。その子を見て思うのは、論理的に考えられるということは財産だということだ。家庭や学校の教育がカギだが、日本には「和をもって貴しとす」という伝統があり、保護者も教師もなかなか子供に論理的であることを教えようとしない。確かに、空気を読んで人を動かすということは、日本の強み。それに加えて、論理を組んで人を動かすということができれば、異なる価値観の人と協業する際に大きな強みになるだろう。

内田: 中学・高校でも大学からでも、それこそ社会人になってからでも決して遅くはないと思う。ポイントは、学校の勉強のための論理思考と、社会で活躍するための論理思考は似て非なるものだということ。自分自身を振り返ると、大学時代にクリシンを学べていたら社会に出るときの心構えが違っていたかもしれない。

司会: 社会人にとってクリシンを学ぶことのメリットは?

高原: 思考のクセを自分で直せる。成長スピードが上がる。自分の経験から学び、考え方を変え、行動を変えられる。

クリシンを学ぶ前は、入ってきた情報をひたすらインプットし、答えを覚えていく。これだと経験していないことや答えが無いことには対応できない。自分の行動を変えられず、いつまでも同じところをグルグル回ってしまう。クリシンを学んだ後は、経験から学び、スパイラルに成長することができる。

内田: 仕事とは何らかの課題を解決すること。だから、そもそも課題は何なのか、その課題はなぜ発生するのか、その課題に対してどのような解決策が効果的なのかということについて、スピーディに考えられれば、どんな業界のどんな業種でもやっていける。

しかも、自分一人で完結するような仕事はない。いろいろな人を巻き込み、調整し、協力する必要がある。自分の考えを分かりやすく他人に伝えられなければ何事も成し得ない。そのためにもクリシンの素養は重要だ。クリシンを学んでいるか否かで、生産性に数十倍の差が生じると言っても過言ではないと思う。

井尻: ビジネス社会では、戦う“競技”が変わったり、急に“ルール”が変わったり、“道具”が変わったりすることがある。小手先のテクニックでは、こうした変化に対応できない。クリシンは言わば、どのような種目でも戦えるための“筋肉”を鍛えることだ。“筋トレ”は早めにやっておいたほうがいい。

司会: 最後に一言ずつ。

高原: クリシンを学ぶと人生変わる。早く学んでメリットを享受してほしい。

井尻: 何か悩みがあるなら、ぜひ学んでほしい。良い悩み方ができるようになる。

内田: 必ず、眼から鱗が落ちる体験をする。ぜひ体験してほしい。

司会: 皆さん、ありがとうございました。

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大阪 9月25日(日)、東京 10月9日(日)

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