SMAPの解散原因をバーナードの組織論で考える 

その1
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人気アイドルグループのSMAPが年内の解散を発表した。25年以上も芸能界を牽引してきたグループだけに世間に対する影響は大きく、解散理由をめぐって様々なゴシップが飛び交っている。そこで、チェスター・バーナードの『経営者の役割』という組織論の古典的名著を参照に、組織論の観点からスマップの解散について考えてみたい。

まず、前提を確認しよう。そもそも「組織」とは何だろうか。

例えば、青信号で一斉に横断歩道を渡っている人々はどうか。皆、信号を渡るという目的に向かって行動を共にしている。信号が点滅すれば皆急ぎ、渡る際は互いに邪魔にならないように配慮をする。あるいは、気の合う仲間で集った浜辺のバーベキューはどうだろうか。参加する人々はバーベキューをするという目的を共にしている。そして、それぞれの役割分担があって、準備や調理が進められる。バーベキューを終える際には何らかの宣言(そろそろ片づけて帰ろう)をして解散する。

バーナードは組織を次のように定義する。組織とは「意識的で、計画的で、目的を持つような人々相互間の協働」であり、「二人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力のシステム」である。

先の例をこの定義に照らすと、浜辺のバーベキューは組織であり、青信号を渡る人々は組織でないということになる。では、SMAPは組織だろうか。もちろん組織だろう。

ただし、バーナードによる組織の定義には、メンバーであるヒトを含まない。したがって、組織としてのSMAPにはキムタクや中居君などのメンバーは含まれない。あくまでも組織とは「人間の活動で構成される一つのシステム」(バーナード)なのである。

話が少々分かりにくいかもしれないので、SMAP以外の例を挙げてみよう。例えば「AKB48」はどうか。メンバーが入れ替わっても組織として継続している。つまり、メンバーが固定していることは、組織の条件ではない。それゆえ、SMAPを組織と捉えた場合、例えば「キムタク1人残して4人を入れ替える」ことで新生SMAPを結成するという選択肢も存在する。しかし、事務所がそれを選ばなかったというだけのことである。

では、そもそも組織が成立するためにはどのような条件が必要なのだろうか。今のSMAPには、何が欠けてしまったのだろうか。

組織が成立するための要件

バーナードによると、組織を成立させる要素は3つある。相互に意思を伝達できる人々がおり、それらの人々は行為を貢献しようとする意欲をもって、共通目的の達成をめざすときに、組織は成立する。要するに、(1)コミュニケーション、(2)貢献意欲、(3)共通目的の3つが組織成立の要件である。

しかし、組織が成立したとしても存続することは簡単ではない。なぜなら、組織の内的・外的環境は常に変化するからである。ちなみに、SMAPよりも前に80年代以降に活躍した代表的なグループとしては、「光GENJI」(1987~1994)、「しぶがき隊」(1982~88)などが挙げられるが、アイドルグループとしての人気低下やメンバーのソロ活動が増えるに伴い、数年で解散している。その点で、SMAPが25年以上も存続したことは、アイドルグループとして驚異的である。

SMAPが組織として長期間持続できた理由としては、時代に合わせて常に新たな魅力を提供したことが大きいだろう。しかし、それだけでは組織としてのSMAPが存続した理由を説明できない。人気が出てソロ活動などが増えれば、組織というシステムの存続危機もまた発生しやすくなるからである。

つまり、長期的に組織を存続させるには、内的・外的環境の変化に合わせて(組織という)システムの均衡を維持することが必要になるのだ。
 

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