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【DMM亀山会長の大放談】ジャブを打って行けそうならアクセルを踏む

投稿日:2016/09/03更新日:2023/07/19

DMM亀山会長 大放談 ビジネスほど楽しいことはない[3]

伊藤: それでは、質疑応答に入りましょう。

会場: DMMさんというと、たとえば新規事業1つとってもすごく大きな資金を投入したうえで参入していくといったイメージがありました。ただ、今日のお話聞くと、もしかしたら、かなり調査をしてビジネスモデル等を理解されてから、お金を投入していらっしゃるのかなと感じます。そのあたり、投資タイミングなどの判断基準について、もう若干詳しくお話をお聞きしたいと思いました。

亀山: 何にも考えないで金突っ込んでると思ってたの?(会場笑)。なんて失礼な(笑)。ここはきちんと言って聞かせなきゃいかんなぁ(会場笑)。まあ実際、そんな深くは考えてないんだけどね(笑)。さっき言った通りで実験して結果を見るからさ。ジャブをちょいちょいと打って、いけそうならアクセルを踏むっていうことの繰り返しだから。

小笠原: FXも大きなお金を急に積んだわけじゃなくて、伸びに対して次々投資をしていったんですよね。

亀山: そうだね。FXのときは担当者に実績があったので、初めから結構な額だったけど、自己資本は予定よりどんどん増えてったね。やっぱり変わるのよ、やってみると。だから、こっちもあっちも予定よりお金がかかるなんてことはしょっちゅうある。で、そこで仕切り直すことが正しいと思えば変えるし。でもまあ、やっぱり最初に突っ込む段階ではあんまり考えてないよね(笑)。君の言う通り!(会場笑:拍手)。次、俺に質問する根性のある人は?(笑)

会場: 「最終的に世の中をこんな風にしたい」という想いのようなものは何かありますか?

亀山: 今度は大きい質問が来ましたね(会場笑)。結局、商売なんてものには徳もあれば悪徳もあると思ってて、自分のやってることが社会にとって良いか悪いかと考えてみると、俺もちょっと自信がないわけ。だから、今は社会的に「こうしたい」っていうより、「身近なところから良くしていけたらいいかな」って感じになる。自分がいて、その周りに社員がいて、その周りに家族がいて、「みんながそういう身近なところから良くしていったら、なんとなくいい社会になるんじゃないの?」って。むしろ「世界全体をこうしたい」みたいな正義や信念を俺が持ってても変かなって。

小笠原: しかも今は会社に未来を語る人がどんどん集まってきてますし。

伊藤: そうですね。だから未来は小笠原さんとかに任して。

亀山: こういう、なんか適当なことを言うやつにね(会場笑)。

小笠原: 詐欺師みたいなやつに(笑)。

亀山: それでいいかなって思う。まあ、世の中には、彼が語る未来を喜ぶ人たちはいるけど、どうでもいいと思ってる人たちも一杯いるわけよ(笑)。ロボットをつくったとするじゃない?そこで、「ロボットで便利になるね」と言う人もいれば、「人工知能が人間の職を奪うんじゃないか」とか「キラーロボットになって人間を殺すんじゃないか」とか言う人もいる。テクノロジー1つ取ったって良い風になるか悪い風になるかは分からない。原発であれロボットであれ、自分たちのやったことがどんな方向へ進むかはちょっと分からない。

だから、それなら「身近なところから」っていうことで、社員のためになることを考える。で、そうなると「社員が誇れる会社にしなきゃ」とか「商売で周囲を泣かせると社員も悲しむね」なんていう話になって、そこから「やっぱり社会のことも考えなきゃいけない」っていう話に、結局は広がっていくわけよ。ただし、それは規模や状況に応じて考える話。「明日会社が潰れるかどうか」っていうときに、世界のことなんか考えてられないよね(会場笑)。

そういうときは「何やっても食ってこう」みたいになるだろうし、それはそれでいいと思ってる。俺だって「とにかく食ってくんだ」っていうときはなんでもやってた。パンツ一丁で踊ったりしてたわけで、そういうときに世界のことなんて考えてないよね。今日1日の食事のために踊ってた。ただ、そんなところからはじめて、少しずつ前に進んで、ちょっとマシになってゆとりが出来たら、今度は近くのやつのことを考える。で、さらにもう少しゆとりが出来たら、さらにもうちょっと社会のことを考える。そんな感じでいいんじゃねえかな。やれるところから(笑)。答えになってるかな?

伊藤: 素晴らしいです。本当にそうですよね。

亀山: さっきの答えよりもいい話になりました(会場笑)。

小笠原: 本当に、いつの間にこんな喋れる人になったんだろうって(笑)。

亀山: 本当に、もう50年間引きこもってたからね。

小笠原: 3~4年前だったかな、IVSに行って他の人たちと喋るとき、「あの人だれ?」「あの人だれ?」って聞いてた人と思えないぐらいで(会場笑)。

亀山: もう、おどおどしてたもんね。目が泳いでた(笑)。

伊藤: 未来のことに関しては、今日はもう時間ないので、後日小笠原さんの『メイカーズ進化論―本当の勝者はIoTで決まる』を買ってお読みいただければと思います。

亀山: 中古でいいけどね(会場笑)。ブックオフに行ったら山ほどあるよ(笑)。

会場: タイトル通り、お話を聞いていてすごく楽しそうな雰囲気が伝わってきました。現在のようなお立場で、ビジネスのどういった部分が楽しいとお感じでしょうか。あと、ビジネス以外で楽しいとお感じになっていることが何かあれば、そちらもぜひ教えてください。

亀山: そういえばタイトルを忘れてた(会場笑)。

小笠原: あってないようなもんですけどね。「大放談」って言うてますから。「こんなタイトルで大丈夫なんですか? グロービスさん」っていう(笑)。

亀山: まあ、こんな風に話をしてると良い気分になるじゃない? 人前で喋ってさ、みんな、偉そうに話してても笑ってくれるわけで(会場笑)。それ見てると俺も気持ちいいじゃない(笑)。ちやほやされるのはいいよね。

伊藤: 普段でもそんな感じで?

亀山: 結局、お金を最後まで残したって使いようがないしさ。今はプライベートでも使いたいことがないから。

小笠原: 本当に、(プライベートでは)お金使わないですよね。

亀山: (笑)。節約する気もないけど、特に使い道もないし。となると、こうやって人と出会ったりするのが楽しい。

伊藤:すばらしい。

亀山:なんか、ちょっと良いこと言っちゃったかな(会場笑)。

小笠原: 最終的にはご自身のお金をオールインしちゃうんですか?

亀山: どっかに突っ込んで無くそうとは思ってるね。そうする頃までには何か考えるよ。

小笠原: 皆さんとしては、亀山さんがばーっと積みあげて、無くす直前ぐらいに出会うのが一番いいかもしれないですね(会場笑)。

亀山: ばらまき放題だから(笑)。「持ってけー! 好きに使え!」とか言ってるかも(笑)。

会場: どういった分野にも法律や安全性の課題はあると思いますが、それまでまったく知らなかった新しい分野に取り組むとき、関連するリスクを回避するような仕組みやルール等をお持ちであれば、その辺をお聞きしたいと思っています。

亀山: あ、そうだね。最近は法務もちょっとうるさくなってきた。いろいろと法律を調べ出したりして。昔は「グレーなら行けー!」みたいな感じだったんだけど(会場笑)。

小笠原: あくまで昔の話ですよね(笑)。

亀山: そうそう(笑)。たとえばGoogleやYouTubeなんて昔で言えば著作権違反だよ。だからいつ潰れるか分かんなかったし、USENだって昔は勝手に配線したりするような時代があったじゃない。時代の変革時期はそうなるんだよ。今ならビットコインがそういうものになるのかな。それで、昔ならとっとと早い段階で始めていたビットコインだって、今は法務に止められたりする。だからウチは少しやりにくいけど、逆に若い人たちにとってはそんなのたいした話じゃないんだから、とにかく進めちゃったほうがいいよ。

小笠原: それがやりやすいからアフリカに行くというのもあるんですよね。

亀山: そうだね。まだ堅っ苦しくなさそうだし。実際、俺だって露天商をやってた頃なんて、あちこちで誰の許可も取らずにモノを売ってたんだからさ。

小笠原: ご自分で描かれた絵を、キーホルダーにして売られてたんですよね。

亀山: 新宿や六本木や原宿の路上で勝手にやって、警察とヤクザに順番で怒られるわけよ(会場笑)。で、怒られたら「すいません」って言って逃げて、他の場所でまたやってたりする。でも、それだってせいぜい道路交通法違反とかその程度だから(笑)。またこういうことを言うと「責任ある立場で余計なことを言わないでください」って広報に怒られるんだけど(会場笑)。

小笠原: 露天商のあと、大原簿記(現・学校法人大原学園)に行かれたんでしたっけ?

亀山: 大原簿記に行ってから露天商だね。

小笠原: 大原簿記出身なんですよね。

亀山: そうなんですよ。グロービスじゃない。グロービスとか知らなかったし。あの頃からあったのかな? グロービスに入ってればもう少し稼いだかもしれないのに(会場笑)。堀さんもそこにいるからグロービスの宣伝ということで(会場笑)。「俺が若い頃にあったら入ってたのに」と、言っとこう(笑)。

伊藤: さて、そろそろ時間なので、御二方から今日のまとめと、そして会場のビジネスマンたちに向けたメッセージをいただきたいと思います。

小笠原: DMMさんって、お仕事で関わるまでは少し怖いイメージがあったんです。「従業員の方がやんちゃだったりするのかな」って。でも、むちゃくちゃ真面目です。で、組織もむちゃくちゃしっかりしてるから、その辺の大企業より余程分かりやすい。コモディティをしっかり守ることができる会社なんです。だからサポートもきちんとしてるし、そういうこともあって新しい事業をいろいろ進めることができるのかなって思います。だから、「(とりあえずやってみるという面も、組織としてしっかりやっていくという面も)どっちもしっかりとないとアカンな」というのを気づかせてもらったというか。

僕はどちらかというとスタートアップ原理主義者で、少ない比率での投資であっても積極的に検討しますし、たとえば「500万で半年間走り切ろう」みたいな考え方をも受け入れちゃう。でも、それで亀山さんから最初に言われたのが、「そんなんやってて楽しいの?」(笑)。「ぜんぶ自分で統制できないようなマイノリティの投資には、興味がないわ」って。たぶんDMMは「地」のところがしっかりしてるから新しい事業が出来るし、100%買うことも出来る。亀山さんは今、そういう事業を集める広告塔になっていらっしゃるのかなって思います。

亀山: そうなんです。体を張ってるんですよ。前に出るのは怖いんだけどね。

小笠原: 本当は表に出たくなかった筈ですし。今はその辺もぎりぎり、首から上は出さないようになさっていますけど。

伊藤: では、比較的真面目なビジネスパーソンが多いと思われるグロービス受講生の方々に、会長からびしっと、1分ぐらいで何かいただければ。

亀山: とにかく、「動こう!!」っていうことで(笑)。そういうことかな。まあ、いいや、なんかよく分かんなかったけど、最後にすべったかな(会場笑)。

伊藤: ありがとうございました。今日のお話をぜひ皆さんの糧にしていただければと思います。本日は、亀山さん、小笠原さん、本当にありがとうございました(会場拍手)。

※本セッションの内容は、「【音声版】DMM亀山会長 大放談!ビジネスほど楽しいことはない」と、「GLOBIS知見録アプリ(http://yapp.li/go/globis)」の「アプリ限定」コーナーより、音声で聴くことができます

※3回に分けてお届けしました。第1回はこちら。第2回はこちら

執筆:山本 兼司

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