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企業の決算発表や有価証券報告書の多くは、連結財務諸表に基づいた情報を主体として行われています。この連結財務諸表とは一体どういうものでしょうか?

連結財務諸表とは、支配従属関係にある2つ以上の企業からなる集団(企業グループ)を単一の組織体とみなして、親会社が当該企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するものをいいます。連結財務諸表を作成するプロセスを、連結決算連結会計と呼びます。

最近の企業グループ等の組織再編の傾向として、持株会社化が挙げられます。持株会社である親会社は、子会社の管理が主たる事業となります。そのため、親会社の主な資産は子会社株式、そして主な収益は子会社からの受取配当金となります。

したがって、親会社の財務諸表の情報だけでは、親会社が子会社を通じて行っている事業活動の詳細は把握することができません。また、企業グループには業績の好調な会社もあれば業績不振の会社もあり得ます。親会社としてはグループ全体として事業ポートフォリオや経営資源の配分を考えるでしょうから、個社別でなくグループ全体での業績評価が望ましいとも言えます。このように、子会社等も含めた企業グループ全体の事業活動の実態を適切に把握、評価するためには連結財務諸表が必要になることが理解いただけると思います。

ところで、連結財務諸表には全てのグループ会社が取り込まれているわけではありません。

議決権の過半数を持つ子会社であっても、支配が一時的である場合や小規模子会社などは連結の対象外とすることができます。持分法は、簡便的な連結手続きです。原則的な連結手続きに比べて開示される情報は限定されます。

単純化のために議決権比率によって区分しましたが、連結対象とするか否かは議決権比率等の「形式的」な基準ではなく、「実質的」に親会社に支配されているか否かの観点から判断します。例えば、親会社の議決権比率が50%以下であっても、緊密な関係者と合わせて過半数の議決権を持っている、あるいは人事、資金、技術、取引等を通じて、親会社が実質的に支配していると認められる場合は連結対象と判定されます。過去に形式要件を利用して業績の悪い子会社を連結対象外として連結財務諸表の業績を良く見せるといった会計不正があり、実質的な判定基準に会計ルールが改正されたためです。

さて、連結財務諸表の重要性を理解すると、個別の財務諸表は必要ないように思うかもしれません。しかし、配当金や税金(連結納税制度を選択する場合、一部は連結ベース)などは会社単位で決定されます。連結・個別財務諸表、それぞれに役割があるのですね。

 

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