日本がとるべき新たな戦略とは 

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次なるチャンスに備える

2000年代に入ってから、拡大する輸出に支えられるかたちで、日本経済は比較的長期にわたって成長を続け、その間、GDPと国民所得も着実に伸びてきた。日本の人口はほぼ横ばいであるが、企業は海外市場への輸出量を増やし続け、成長することができた。輸出先は米国のほか、最近では中国やアジアの新興国への輸出も増えてきていた。

しかし27%減という数字を見れば、海外需要は今、頼りにならないことが分かる。この新たな試練に対し、内需拡大を唱える有識者もいるが、日本の消費者の財布のひもは固く、政府も多額の国債を背負っており、景気刺激策にも限界がある。

“100年に一度の大不況”をうけ、日本企業は世界中の企業同様、経費節減に注力しているのが現実だ。何千人もの派遣社員を解雇したり、工場を閉鎖したり、新たな投資計画を凍結したりしている。世界経済の復調なくして、日本経済が本格的に立ち直ることはない。今はじっと耐える時期かもしれない。だが、世界経済は必ずいつか復調する。その時に備えて、各企業は何ができるのだろうか?

創造力が成功への鍵

日本企業は近年、革新的な独自ブランドで世界に先駆けることが多かったが、それは主に製造の面からであった。どの国も、日本の製造業、あるいは生産プロセスの効率性にはかなわず、諸外国は日本企業から多くのことを学んできた。 しかし、成熟化した消費社会の中で、効率性だけでモノが売れる時代は過ぎ去り、日本企業は今後の成長戦略に、新しい方向性を見出す必要がある。

日本企業は違った意味で、革新的にならなければならない。これまでのように、ある製品にとって「最良の工程」をみつけようとするのではなく、思考自体をより創造力のあるものにしなければならない。それには、製品やサービスをどのように開発するのかという観点と、消費者とどのように関わり合っていくのか、という観点の両方が必要である。

日本企業には元来創造性が備わっている。WiiやニンテンドーDSで、真のヒットを手にした任天堂の大成功を思い出してほしい。Wiiは3500万台の売り上げを記録し、今も高収益をあげている。その上、Wiiは消費者の人気も満足度も飛び抜けている。Wiiの成功により、任天堂の売上は2004年当時から3倍になり、市場での地位を確保し、更なるイノベーションにむけての基礎固めをした。もちろん、現在の経済状況から無傷で逃れられるわけはないだろうが、次の革新的なアイデアを考え始めるだけの、資金面、人材面での十分な経営資源を得ることができただろう。

他の日本企業も続かなければならない。レイオフで優秀な人材を外部に出してしまうのではなく、「次なるヒット商品」に向け、もっと真剣に、もっと独創的に考えるよう求め、そのプロセスに多くの従業員を参加させる事だ。社内の一部だけで閉じてディスカッションを行うのではなく、男性、女性、正社員、派遣社員など職責を問わず、あらゆる従業員に、このプロセスに参加してもらい、良いアイデアを絞り出すことが求められている。

このような解決方法は日本にだけあてはまるというものではないが、現在の日本の経済状態を考えれば、特に日本で実効性がある。日本企業の底力は素晴らしい。特に危機に直面した時の団結力は、卓越している。従業員の頭の中のアイデアを絞りだせば、これから来る試練を乗り越えることができるし、乗り越えなければならない。創造性なしに、明るい未来はやってこない。

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