ペプシホワイトに学ぶマーケティング戦略の定石 

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10月27日「ペプシホワイト」と「クラシックデザイン」の戦略ポジション

10月21日から「ペプシホワイト」が発売になった。6月10日に発売された「ブルーハワイ」に続く、今年2度目の期間限定品だ。さらに、自動販売機限定で静かに人気が高まっているのがダイドードリンコの「ペプシコーラクラシックデザイン」だ。コーラ業界におけるこれらの商品の戦略を考察してみる。

まず、「ペプシホワイト」を購入し、飲んでみた……。

意外なほどおいしい。今年の6月に発売された青いコーラ「ブルーハワイ」の強烈な味、甘みと独特の舌に残る微妙な苦みを思い出し、かなり覚悟を決めて一口含んだので、少々拍子抜けでさえある。

メーカーのニュースリリースによると、軽やかな香りが心地よい、爽やかなヨーグルト風味のコーラ飲料、であるというが、偽りはない。

日本における飲料業界第1位はコカ・コーラグループであり、第2位がサントリーである(サントリーは日本国内でのペプシコーラのマーケティング及び製造販売総代理権を1997年に取得している)。コーラ飲料における世界的なシェアは地域的には逆転しているところもあるが、コカ・コーラが「リーダー」であり、ペプシが「チャレンジャー」だ。日本国内においてはコーラ飲料ではコカ・コーラが圧倒的だ。企業としても、ブランドとしてもチャレンジャーのポジションを余儀なくされているという現状がある。

圧倒的な力を持つリーダーに対して、チャレンジャーの戦い方の基本は徹底した「差別化」にある。米国発の「ペプシチャレンジ」というキャンペーンはあまりに有名だ。どちらの製品か明らかにされていないコップを街行く人に両方飲ませ、美味しいと思う方を指ささせる。そして「うゎー、ペプシだったんだぁ?」と被験者が言う。比較広告が嫌われる日本においても展開され、テレビCMにもなった。

差別化はキャンペーンだけではなく、商品においてもなされる必要がある。その象徴が、定期的に上市される「期間限定変わり種コーラ」だ。

ブルーハワイ以前にも、07年6月にキュウリ風味の「アイスキューカンバー」、06年には、5月にスパイシーな「レッド」、7月にトロピカルフルーツ味の「カーニバル」、10月にジンジャー味の「ゴールド」と矢継ぎ早に発売されている。

期間限定変わり種コーラは、リーダーに対する「差別化戦略」を行うチャレンジャーの定石通りの戦略と位置づけられれば、気まぐれでなく、今後も間違いなく続くだろうことがわかるのだ。

さて、コーラ飲料を見渡すと気になる存在がもう一つある。ダイドードリンコの「ペプシコーラクラシックデザイン」だ。

メーカーの商品紹介サイトによれば、1960年代にアメリカのペプシコーラで使用されていたロゴマークを現代に復刻した復刻版ペプシコーラ、ダイドードリンコの自動販売機のみで購入できる限定商品、だという。クラッシックの名に恥じることにない、たっぷり砂糖とカフェインが使われているであろう、どっしりとした味わいで、07年から発売されて以来、静かにブームを呼んでいる。

ダイドードリンコが使用できるのはこのクラッシックの商標のみであり、製品自体もサントリーがOEMで製造し、ダイドードリンコに供給しているというのが実態だ。

しかし、全く広告などに費用をかけない。販路も大きく広げない。ひたすら上位ポジションのプレイヤーの後をついて行き、しっかり稼ぐのは、「フォロアー」のポジションとして実に正しい戦略をとっていると言えるだろう。

商品戦略は、このようなポジションに応じた戦い方の類型だけで語れるほど単純ではないが、こうした定石を理解しておくと、消費者としてもメーカーの狙いがなんとなくわかり、より興味を持てるようになるだろう。

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