会社の決算書って何種類あるの?! 

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会社の決算書は実は1種類ではありません。関連する法令等に則ってそれぞれ作成されるため、いくつかの種類があります。また、決算書の目的、対象者の違いなどから計算される利益や開示される内容が異なる場合があります。今回は、会社が公表する決算書の種類について説明します。

まず、「有価証券報告書」に含まれる決算書です。有価証券報告書は、金融商品取引法により主に上場会社などにより作成されます。決算日後3か月以内に金融庁に提出され、その後一般に公開されます(EDINET参照) 。

有価証券報告書に含まれる会社の連結財務諸表及び個別財務諸表は、企業会計のルール(「財務諸表等規則」など)に従って作成されます。また、決算数値の前提となる会計方針、決算数値に関する詳細説明、セグメント毎の業績や簿外債務の内容など(財務諸表の「注記」と言います)も多数含まれます。

有価証券報告書に含まれる決算書には、公認会計士等による監査報告書が添付されます。また、決算書以外にも、業績の説明、役員や大株主の状況、コーポレートガバナンスの状況など多くの定性情報が記載されます。会社によっては300ページを超える分量になります。情報量が多いため、会社の財務内容等の分析に適していますが、内容を理解するスキルも同時に求められます。

有価証券報告書に先立って公表されるのが、「決算短信」です。通常、会社の決算発表と言うと、決算短信に基づく決算数値を指します。決算短信は、証券取引所の「適時開示ルール」に従って作成されますので、対象は上場会社となります。決算短信に記載される決算数値は、企業会計のルール(「財務諸表等規則」など)に基づいて作成されます。したがって、有価証券報告書に含まれる決算情報の抜粋という理解で良いでしょう。決算短信は、監査報告書は添付されません。

株主総会招集通知」に添付される決算書は会社法のルール(「会社法施行規則及び会社計算規則」)によるものです。したがって、会社は上場しているか否か、会社規模に関わらず会社法に基づいた決算書を作成する必要があります。会社法の決算書は株主と債権者には開示されますが、有価証券報告書や決算短信と異なり一般には公開されません。株主総会後に、「決算公告」として貸借対照表(大会社は損益計算書も)が公開されるのみです(自主的に会社のウエブサイト上に会社法の決算書を公開している会社もあります)。

会社法に基づく決算書は、連結と個別のそれぞれ貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書とそれらに関する注記情報であり、キャッシュ・フロー計算書は含まれません。また、規模の大きな会社(会社法上の「大会社」)は公認会計士等の監査報告書が必要になります。

法人税申告のための利益(「課税所得」と言います)と会社法や金融商品取引法に基づく決算数値(例:利益)は異なる場合があります。会社は、納付する法人税額を計算するために、主に会社法による決算数値を基に調整計算をします。そのため、法人税法用の決算書がある訳ではありせんが、差し詰めこの調整計算表(「別表」と言います)が法人税申告のための決算書と言えるかもしれません。なお、調整計算表は外部には公開されません。

以上、会社が作成する主な決算書について説明しました。簡単にまとめると以下になります。

 
 

(注)B/S:貸借対照表、P/L:損益計算書、C/S:キャッシュ・フロー計算書、S/S:株主資本等変動計算書

また、これら以外にも、会社が自主的に作成する決算書として、外国人株主・投資家用に作成するアニュアルレポート(主に英文財務諸表、米国会計基準等を参考に作成、公認会計士等の監査報告が添付されることが多い)や事業報告(株主総会後に作成、会社ウエブサイト等で公表)もあります。

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