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創業直後に世界で勝負!カギは「何を」よりも「どう」やるか

投稿日:2017/02/06更新日:2019/04/09

創業間もないベンチャー企業が世界市場に参入し成果を出しつつある。「ソーシャルシフト」「スマートフォンシフト」という2つの大波によって新たに形成された伝播(でんぱ)力の高い世界規模のプラットフォーム上では、極めて速いスピードで市場獲得が可能だ。その半面で、これはグローバル競争が急激に加速することも同時に意味し、無限の可能性と難易度の高さが併存している。何が成功要因なのか。

ニュースアプリのスマートニュース(東京・渋谷)は「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションの下、ニュースコンテンツの拡散度合いを自動的に認識・判別するアルゴリズムを独自開発。サービス開始からわずか2年の昨年末時点で、約800万人のユーザーを獲得し、米国でもニュースカテゴリーで第1位を獲得する快挙を達成した。

当初から順調だったわけではない。共同代表の浜本階生氏(33)による構想からリリースまで3年。その間似たようなサービスが拡大しなかった失敗経験も持つ。アドバイザーだった鈴木健氏(39)が共同代表として参画。リリース直後にメディアパートナーとの関係構築を担う人材としてインターネットメディア企業の経営・上場経験もある藤村厚夫氏(61)を招聘(しょうへい)した。

現在数十人の社員は過半数が自然言語処理や機械学習の高度な専門性を持つエンジニア。国内外の投資家から約40億円の資金調達に成功している。鈴木氏は「過去にたくさん失敗し、何度も米国進出に挑戦しているので、学びの蓄積や相場観は備わっている。日米での経験・実績が十分な人材や事業拡大に十分な資金・支援者を獲得できたことが成功要因」と語る。

フリーマーケット(フリマ)アプリのメルカリ(東京・港)もサービス開始わずか1年半で、約800万人のユーザーを獲得し、月間流通総額は数十億円まで成長。既に米国にも参入している。大量生産・消費時代における消費者間の新たな二次流通プラットフォームを構築して「なめらかな社会を築く」というミッションを掲げている。

代表の山田進太郎氏(37)はメルカリ設立前に自身が立ち上げた会社を米国企業に売却した実績を持ち、世界中を旅してミッションや起業アイデアを磨いた。

設立当初から元ミクシィ取締役CFO(最高財務責任者)の小泉文明氏(34)の他、米国・日本でベンチャー創業・経営を経験したメンバー2人を加えた経営チームを組成。仙台のカスタマーサービス拠点には数十人の従業員が勤務し、ここでも過去の人材マネジメント経験が生かされているという。メルカリも既に40億円を超える資金調達に成功している。

山田氏は「何十年と世界中で使われるサービスを創りたい。起業とは成功するまで続けること。一定の経験や実績が効果的な経営資源の獲得を可能にし、その積み重ねが勝率を上げる。最も大事なのは徹底的にプロダクトを磨くことにどれだけ集中できる環境を整えられるかだ」と語る。

起業の障壁は下がっており、もはやベンチャーのビジネスプラン自体はコモディティ化しつつある。大事なのは「何をやるか」ではなく「どうやるか」だ。適切な市場参入・加速タイミングの見極めと適切な経営資源(人材・資金)獲得力が勝負を分け、さらにそれは共鳴を呼ぶ大義(ミッション)とリーダーの経験曲線に起因すると言える。

(2015年1月29日付け日経産業新聞の記事「VB経営AtoZ」を再掲載したものです)

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