日本の伝統芸能の世界では「守・破・離」という言葉が使われます。その道を究めるための成長段階を表したものです。
〈守〉は師からの教えを忠実に学び、型や作法、知識の基本を習得する第1段階。「修」の字を置く場合もある
〈破〉は経験と鍛錬を重ね、師の教えを土台としながらも、それを打ち破るように自分なりの技・真意を求める第2段階
〈離〉はこれまで教わった型や知識にいっさいとらわれることなく、思うがまま至芸の境地を会得する第3段階
これを「枠をめぐる3種類の人間」として、現代のビジネスパーソン向けに焼き直すとどうなるでしょう……
〈守〉の人は、「枠の中の優秀者」を目指す
〈破〉の人は、「枠を破る変革者」を目指す
〈離〉の人は、「新たな枠をつくる創造者」を目指す
さて、新しい年がスタートしました。あなたは今年どのレベルで仕事に向かいますか。まずは、与えられた環境の中で優れた結果を出すこと。それがすでにできているという人は、既存の環境・考え方を破り、何か新しい行動・提案をしてみてはどうでしょう。それもやったという人は、いよいよ自分の提案に基づいた新しい枠組みを形にするときです。
成長・変革の余地はつねに目の前に無限にあり、そこに挑んでいこうとする「いま・ここ」の心の姿勢が1年後、3年後、5年後の自分の行き先を決めています。「一念即一生」の精神で一日一日を大事に送っていきたいものです。