英語上達のコツ、基本押さえ時間を集中投下 

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「日本語を学んだように、英語を学ぶといいよ」。英語上達の秘訣を聞かれたら、僕は必ずそう答えることにしている。もっとも「日本語なんてどうやって学んだか覚えてないよ」と返ってくる。実はその返答の中に、語学学習の本質が隠れている。そう、覚えていないのだ。

幼少期から生活の中で日本語を毎日シャワーのように浴び、試行錯誤しながらしゃべったり、読んだり書いたりしてきた。家庭で発音を直されたり、単語を覚えたりしてきた。そして学校の国語の授業で、常用漢字を覚え、文法を体系的に学んできた。この日本語環境と学校教育とが日本語習得の方法論だった。

英語も同じことをすればよい。つまり、英語のシャワーを浴びるのだ。英語を徹底的に聞き、読み、しゃべり、書くことを繰り返し行い、学校教育で文法などを学ぶのだ。

その英語学習で留意すべき3つの鉄則がある。1つ目が発音だ。発音がしっかりできていないと、英語は通じにくい。英語の特徴である「th」「r」「v」や曖昧母音など、子音・母音ともにできる限り正しく発音しなければならない。僕は、辞書を引くたびに発音記号を必ずチェックする。最近では発音が聴ける電子辞書がお薦めだ。

2つ目が文法だ。「文法なんか関係ない。通じればいいんだ」と言う人がいる。僕から言わせれば暴論だ。文法は数学で言えば方程式のようなものだ。方程式とも言える文法を理解していないと、単純な会話はできても、高度な論理構成をもった英語表現ができなくなる。そういう意味でも、現状の文法重視の英語教育は理にかなっている。

3つ目が単語の選択だ。間違った単語を選択すると、意味が不正確にしか伝わらない。できるだけ的確に単語を覚え、伝えたい内容やニュアンスに従って適切なものを当てはめることが肝要だ。語彙を広げることにより、幅広い表現ができるようになる。

この3つの鉄則を子どもたちにも伝えているが、鉄則を理解しただけでは上達しない。必要なのが学びの時間の量と集中、継続だ。

あるとき学びに関する本を読み、面白い視点を得た。「集中して短期間のうちに1000時間学ぶのと、1000時間を1000日に分けて1日1時間学ぶのとでは、どちらの方が学習効果が高いか」という問いがあった。答えは「細切れよりも集中した方が能力は向上する」だった。

その本を読んでから、限られた期間に徹底的に集中して学ぶことにしている。その結果、十数年前に囲碁を学び始めた時は1年足らずで初段になった。スノーボードをやるときも1シーズンに集中して雪山に繰り出し練習した。考えてみると、経営学も2年間で集中して習得した。

短い時間を継続的にやってもなかなか上達しないが、集中して学ぶと早く習得できるものだ。

日本人の多くが、英語を中学校から高校まで6年間学んでも、しゃべれるようにならない。それは集中した学びをしていないからだ。おそらく小学校から早期英語教育を実施してもほとんど効果はないだろう。

しゃべらざるを得ない、聞かざるを得ない環境でどっぷり集中して過ごすことが、英語能力向上には必要だと思う。僕自身も高校時代に1年間オーストラリアに留学し、授業も試験も、はたまたラグビーのクラブ活動もすべて英語漬けであった。ついには英語で夢をみるようになった。そして、集中して学んだ後に、しっかりと継続すれば良い。僕は毎日英字新聞を読み、英語でブログを書き、スピーチする機会を多く作っている。

このように良き鉄則を持ち集中して上達させ、その後は日々継続する努力をすることが、学習の基本だと思う。そしてその学びのプロセスを思いっきり楽しむことが重要だ。

※この記事は日経産業新聞で2016年12月9日に掲載されたものです。
日本経済新聞社の許諾の元、転載しています。
 

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