G1中部2016
第3部分科会B「人口減少社会の都市経営~富山LRTから考えるコンパクトシティ~」
「ついに人口減少社会へ突入!」2016年2月に発表された国勢調査で、わが国は1920年の調査開始以来初の人口減に転じた。地方創生の対極にある地域の課題は日々深刻になっている。一方、首長による都市経営の工夫により、人口減少社会に時に抗い、そして適応する施策を講じている個性ある地方自治体が出現している。富山市は人口集住誘導策とLRTを基軸とした公共交通策の充実により、都市のコンパクトシティ化に挑んでいる。時代の変化を見越し、ビジョンを描き直し、住民と議会を説得し、施策を実現していくプロセスを森富山市長に学び、与野党国会議員とともに考える。(肩書きは2016年10月15日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
柳川氏: 大変興味深い分科会ですが、まずは今、注目されている富山市の市長をされている森様から、取り組みの具体的な内容をお話いただいて、それから皆さんでディスカッションをして行きたいと思います。せっかく関心のある方が集まっているので、フロアに振って全体で議論できればと思っています。
森氏: にわかに日本一悪名高い議会を持つこととなりました富山市から参りましたが、議会がほとんど機能不全になっていますので、せめて我々は明るくやろうと派手な衣装で参りました。
12人も辞職しましたので、コンパクトな町づくりを語るよりも、コンパクトな議会について語りたいのですが、そのことを一緒になって当局側がうなだれる必要はまったくないと、職員はしっかり胸をはって良い仕事をしていこうと思っています。そういう意味でも今日、良い機会をいただけたと思っています。
10分ということですので、富山市の取り組みを概略だけお話したいと思います。一言で言うと、公共交通をブラッシュアップさせて、その沿線に住む人を増やすという意味でのコンパクトシティ政策です。決して腕力でどこか一か所に集めようということではありません。薄く広がって住んでいる市街地の構成を、少なくともこれ以上さらに拡散することは止めるということです。
ご案内の通り人口が激しく減り、若い人が少なくなっていく中で、高齢者の構成比がどんどん大きくなっています。したがって拡散型の町づくりを進めていくことは、若い世代の負担感を増していくことになりますから、若い人から見た負担感をなんとか抑制することによって、将来に対する安心感を生もうということです。
同時に高齢者を元気にしていかなければなりません。これは迂遠に見えますが、実は若い方々の利益に直結していると思います。医療費がいたずらに上がっていく、介護保険サービス総量が膨らみ続けていく、それを若い人が負担するというのでは、いったん故郷を離れた若者を回帰させることにはつながらないと思います。都市の総合力を高める、高齢者も元気、どんな人にとっても暮らしやすい、必ずしも車がなくても大丈夫、あるいはコンサートへは公共交通で行って一緒にお酒も楽しむという文化性の高い暮らし・・・(この続きは動画でご覧ください)