G1経営者会議2016
第2部全体会「成長戦略としてのピボット ~事業転換を実現する方法論~」
テクノロジーの進化によって、あらゆる業界の競争ルールが根底から変わろうとしている。旧来の価値観が崩壊し、新たなパラダイムにとってかわる時代、変化に柔軟に対応し、事業を「ピボット(方向転換)」する力が問われている。停滞事業からピボットして、新たな成長領域へ舵を切るために、経営者が行なう決断とは何か。成長戦略としてのピボットを実現する方法論を議論する。(肩書きは2016年11月3日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
御立氏: 今日はどういうお話をさせていただこうかというと「ピボット」とテーマに書いてあります。「イノベーションのジレンマ」という言葉がはやった時代があって、クリステンセンという人は私の会社の先輩なので直接話したことが何回かありますが、とにかく世の中にはよく目をこらすとパターンというものがあると。そのパターンを自分なりに解釈して自分の知恵にできたやつが勝つのだと。クリステンセンが一番さきに学者として名前をあげた時に探し出したのが、だいたい本業がうまくいって、そこで技術の強みを作り、チャネルのつくりを作り、人も作り、そういう強みを作った人が、次の波が来たらボロボロになるのがいくらでもあるというパターンです。
特に事業構造変革という言葉はきれいですが、本業がだんだん調子が悪くなっていっても、そこそこ食べていける時はみんな真面目にやるので、コア事業で一生懸命汗をかく。でも10年単位で見たらこのビジネスはきっともうだめよねと、分かる人は分かっている。
こういうときに新規事業をやるのですが、新規の方には良い人がいかない、お金がいかない、投資家からはそんなことを言ってないで本業で汗をかけと言われると。こういうパターンを見抜くのがすごく大事だと、一世風靡した「イノベーションのジレンマ」を書き、ずっと突きつめてきたんです。
今日、お三方のパネリストにお話を伺っていきたいのはまさにその点であります。デジタル化の波の中、世界の地政学・政治の状況が変わっていく中、日本の立ち位置が人口減少の中で違ったものになる中、ビジネスモデルの変革をやらなくてはいけないかと100人の経営者に聞けば100人がそうだと言っても、昔からやっているものもやり続けないと許されないということを、複数回おやりになってきた会社のリーダーの方々であります。今日はそういうお話を伺っていきたいと思います。
まず、青井さんから伺いましょうか。私が理解している限りでは丸井という会社は2回か3回、大きな変革がありました。(この続きは動画でご覧ください)