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成果を出し続ける現場リーダーの共通項とは―『これからのマネジャーの教科書』

投稿日:2016/08/27更新日:2019/04/09

「管理職になりたくない」

そんな若者が増えているというニュース、聞いたことありませんか。事実、公益財団法人日本生産性本部が実施した「2015年度 新入社員 秋の意識調査」では、「管理職になりたくない」と回答した新入社員は全体の48.1%に上っています。

膨大で幅広い仕事への対応・タテヨコナナメの利害関係への配慮・複雑化する外部環境への適応・周囲からの強いプレッシャーとの戦い・・・確かに、ここだけ切り取るとまったく魅力的に映らない管理職(=ミドルマネジャー)という仕事。一方で、常に前向きなパワーを持ち、楽しみながら仕事と向き合い、成果を出し続けているミドルマネジャーが多くいることも事実です。その違いはどこにあるのでしょう。本書は、豊富なインタビューやアンケート調査をもとに、期待を越えるミドルマネジャーに共通する要素、そしてそこから見えるメカニズムを紹介しています。

そもそもミドルマネジャーとは、組織の中の結節点としてトップが示した理念をボトムに伝え、目標実現のための戦略を推進する存在です。加えて、マネジメント層の中で最大のボリュームゾーンとなるこのミドルマネジャーが良い状態にあるかどうかは、組織の成果を上げていく上で非常に重要な要素となります。しかし、現代のビジネス環境は非常に速いスピードで変化しているため、ミドルマネジャーは会社の変革以前に自分自身が変わり続ける力を持つ必要がある、と本書では訴えています。

では、自身が変わり続ける力「自己変革力」はどのようにして得られるのでしょうか。まず、期待を越えるミドルマネジャーは、「組織で成果を出す力(スキル)」「仕事に対する想いの力(ウェイ)」「周囲との考えの違いを乗り越える力(ギャップ)」この3つの力を持っているそうです。

興味深いのは、この力を得るために必要な思考プロセスのひとつに、「自分にとって都合の良い解釈をする」という項目がある点です。これだけ聞くとなんだか傲慢な気もしますが、我田引水的にとらえるという意味ではなく、「自らの価値観に基づいて意味があると信じる」ことを表しています。つまり、「自分は何が大切なのか?」という問いに対して、明確に答えることができるかどうかが大事なポイントなのです。

私自身を振り返ると、数年前まではご多分にもれず「リーダー・マネジャーにはなりたくない!」と心の底から思っているひとりでした。転機になったのは、まさに「自分との対話」。大切にしていることは何か、何を目指したいのか。とにかく問い続け、納得感のある言葉を紡ぎだせた時、私が得たものは「自信」でした。これは、「なんでもできる」というスーパーマン的な自信では決してありません。「自分の価値観に基づいて決めたことを、正解にするために全力を尽くせる」という自信です。今はひとつのチームを任せてもらっていますが、私が(都合の良い解釈をしながら)楽しく前向きに日々を過ごせている根底には、この自己理解が強く影響しているのだと、本書を読んで改めて感じています。

最後に、これらのメカニズムを真に理解して実務で活用するには、自身に引き寄せてみることが必要です。本書が「自身の事例」を認識させ、意図して未来を創るきっかけとなればと思います。

 

『これからのマネジャーの教科書』
グロービス経営大学院/田久保 善彦 (著)
東洋経済新報社
1800円(税込1944円)

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