あなたの会社は最小不幸追求型?最大幸福追求型? 

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イラスト:荒木博行

企業が何らかの戦略を実行しようとする際、障壁になるものがあります。中でも最も厄介なものは「企業文化」です。この企業文化、実際には目に見えません。見えないからこそ、把握するのが難しい。そこで、ここでは大きく2つの方向で企業文化の分類方法を提示します。その2つとは、「最小不幸追求型」の文化と、「最大幸福追求型」の文化です。

最小不幸追求型というのは、「ネガティブ要素を減らす」ことの優先順位が何よりも高い状態を示します。つまり、お客様からのクレームを出さない、不満に感じる人を一人でも減らしていく、ということを最大限優先するモデルです。そのため、たとえばお客様の満足度を10段階(10が一番満足)に分けたときに、最高評価である「10」が何人いるかは二の次、三の次。とにかく「1」や「2」などの低評価をなくすことを最優先にするのです。

一方で、「最大幸福追求型」はその逆です。つまり、「1」や「2」が出たら残念だけれども仕方がない。とにかく「10」をたくさん出すことを優先的に考えろ、という組織です。どれだけ嫌われてもいいので、特定のお客様からは徹底的に好かれる状態を目指すのが、最大幸福追求型です。

ビジネスにおいては、ターゲットが絞れていない、つまり顧客の優先順位がつけられていないと、多くのお客様の要望に対して等しく対応せざるを得なくなります。その結果、「何でこういう機能やサービスはついていないのか」、といった些細なトラブルシューティングに追われることとなり、現場が疲弊しがちです。そして、その積み重ねが「とにかく誰からも文句を言われない商品・サービスを作ろう」という圧力となり、知らず知らずの間に「最小不幸追求型」の企業文化を作っていくのです。最初の段階で中途半端にターゲットを広げてしまうことが、結果的には意図しない形の企業文化を作ってしまう、ということでもあります。よく「最初は尖がっていたアイディアが、結果的には角が取れた丸いものになってしまう」という組織があると思いますが、これは組織が過去の経験から暗黙の内に学習してきた結果なのです。

実際によくある怖いパターンは、トップは「最大幸福追求型」でいるつもり、でも中堅以下現場のメンタリティは「最小不幸追求型」にどっぷり、というようなことです。トップが「イノベーションだ!」という掛け声をかけているのだけど、現場はトラブルシューティングに疲弊していて、クレーム対応などネガティブなことばかりが想像できてしまう、というような組織ではうまくいきませんよね。いくらいい戦略を立てても、体質に合っていないために実行につながらないわけです。

戦略ばかりを考えて、企業文化を考慮しない・・・。これではうまくいくはずがありません。戦略を考える、ということは、企業文化の深い理解が大前提となります。その理解に向けた第一歩として、この「最小不幸追求型」と「最大幸福追求型」という2つの企業文化のパターンを頭の中に入れておくとよいのではないでしょうか。


※本記事は、FM FUKUOKAの「BBIQモーニングビジネススクール」で放送された内容を、GLOBIS知見録用に再構成したものです。 音声ファイルはこちら>>
 

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