決算短信が同じ日に集中するのはなぜ? 

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3月決算会社の決算発表が先週の5月13日にピークを迎えました。5月13日には、3月決算会社の約3割に当たる747社が決算発表し、過去最大の集中日となりました(上場会社全体:3,517社の内、899社が決算発表)。会社の決算発表は新聞やメディアを通じて公表されますが、その情報源となるのが「決算短信」です。決算短信は、上場会社が取引所の適時開示のルールにしたがって作成・提出する共通形式の決算速報のことです。

決算短信には、当期の業績(P/L)、財政状況(B/S)、キャッシュ・フローの状況といった決算の概要やROEなどの主要な財務指標に加え、来期の業績予想も含まれます。また、決算短信に記載された内容を理解しやすくするための情報(その多くが有価証券報告書に含まれます)も添付されます。法令に基づいた正式な会社の決算報告書である有価証券報告書の公表には決算日から約3か月かかります。決算短信は、その間、投資家や株主に対してできるだけ早く会社の決算情報を提供することにより、彼らの投資判断に役立てるためのものです。

取引所は、上場会社に対してできるだけ早期に決算情報を発表するように決算日から45日以内の決算発表を推奨しています。3月決算会社にとっては5月15日が決算日後45日目に当たります。今年は5月15日が日曜日であり、この場合は翌日の5月16日が期限となりますが、投資家に週末の決算情報の分析時間を設けるため金曜日に決算発表をする会社が多いです。

このような事情で、今年は決算日後45日以内の最終金曜日である5月13日に決算発表が集中したということでしょう。グループ会社を多く抱える会社は連結決算作業に時間がかかり、また決算発表後に決算数値の訂正を避けるためには監査法人による会計監査も実質的に終了した段階で決算発表するには45日と言う期間はなかなか厳しいハードルです。取引所はできれば30日以内の決算発表が望ましいとしており、上場会社は決算早期化のため決算体制も含めた管理能力が問われることになります。

また、取引所は、投資家や株主が決算情報を収集、分析、そして投資判断をしやすくするために、できるだけ決算発表日を分散するようにも求めています。今年を含む過去3期間の45日以内の最後の金曜日の決算発表社数は、

2014年5月15日 259社 (12.4%)
2015年5月15日 359社 (15.2%)
2016年5月13日 747社 (約3割)

となり、ここ数年分散傾向にあった決算発表が今年は一転集中度合いが高まる結果となりました。決算発表が集中については、多くの会社とタイミングを合わせることで目立たなくする(株価対策)などはよく言われますが、今年は、来期の業績予想の策定や(決算確定のための)取締役会の日程調整なども要因として挙げられています。

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