ダボス会議2016年~2)ダボスでは僕ら世代が日本代表だ! 

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ダボス会議2日目。時差で朝4時に目が覚めたので、メール返信、SNSなどでの発信をする。

今回のダボス会議のテーマは、「第4次産業革命をマスターする」だ。そのテーマ通り、昨晩参加した世界の成長企業(GGC: Global Growth Companies)のディナーでも、デジタル・テクノロジーの経営へのインパクトが議論された。経営者は皆、「変わらなければならない」と認識していたが、未知への戸惑いもある。

例えば、そのディナーの話題に「感情」と「知能」があった。知能の分野では囲碁が例に出て、いずれAI(人工知能)が人間の棋士を凌駕するだろうという認識があった。だが、「医師による医療診断はAIが代替できるが、看護師の仕事は感情が伴うので代替できないのではないか」という見方が出され、とても興味深かった。

さて、本日は朝7時半からのダボス会議のプライベートセッションに参加した。エデルマンによる「信頼度調査」の朝食会だ。その年のダボス会議のトーンを、この朝食会が左右していると思う。Financial Times紙記者によるモデレートにより、PayPal、Oxfam、Sanofi、Unilever等のトップが登壇中だ。

今年のエデルマン信頼度調査によれば、経営トップの信頼度が上がった。その理由は、きちんとしたアカウンタビリティを発揮しているからだという。

CEOのリチャード・エデルマン氏によると、信頼が生まれる条件は以下の4つだ。

1) 行動
2) トップの哲学やストーリー
3) 社員とのオープンかつ誠実なコミュニケーション
4) マルチチャンネルで自らを露出させる

トップは決して隠れてはいけない。隠れているとたちまち不信感を招くからだ。SNSで発信し交流することがリーダーの責務になってきたと言うので、僕は質問をしてみた。「実際にパネリストの何人がSNSで発信しているのか?炎上のリスクをどう考えるのか?」と。

答えは、5人中4人がSNSで発信していた。そして、「顧客・社員を含むステークホールダーに自らの考えを伝える必要がある。炎上しようが批判されようがお構いなしに、常にSNSに存在し、自らの考えを伝えることが重要だ」との答えを得た。

いよいよ本会場に入り、最初のダボス会議の公式セッションに参加する。テーマは「アラブ世界の変遷」(Regions in Transformation: Arab World)。登壇者は、イランの学者、アラブ連盟の元事務総長、リビアの元首相、UAEの石油公社のトップだ。テーマは、イラン、石油、Islamic State、アラブの春、イラン-サウジ関係など。楽しみだ。

僕は、いつものように一番前に座り、質問をした。「誰が、どの様にすれば、このISISの問題が解決しますか?米欧の役割は?」。ビックリしたのは、誰も明確なビジョンを持っていないのだ。「このISISの問題は長引くな」と直観した。

10時半からは、「産業のデジタル変革」(The Digital Transformation of Industries)だ。モデレーターは、BCGのリッチ・レッサー氏。登壇者は、Salesforceのマーク・ベニオフ氏。HPのメグ・ホイットマン氏。他には、カイザー、アルコア、シュナイダー・エレクトリックのCEOだ。

とても面白かった。経営者の危機意識を強く感じた。新しい武器を使い、スピーディに変革することが重要だ。

12時からは、「人工知能の今」(The State of Artificial Intelligence)だ。韓国のアリアンTVとWEF(世界経済フォーラム)との共同セッションだ。クアルコム、バイドゥ(百度)、カーネギーメロン大学コンピューターサイエンスのDean(研究科長)、UCバークレーの教授だ。

ランチタイムは、メイン会場から外に出て、スイスのWISeKeyとBVLGARIのジョイントセッションだ。テーマは、「Cyber Security for IoT - 4th Industrial Revolution」だ。なぜだか、俳優のケヴィン・スペイシー氏も登壇している。(^^)

こちらは、ダボスの街の雰囲気。早朝とランチタイム、そして夜間のセッションはメイン会場の外で開催されるので、メイン会場と外の会場を移動するために雪道を何度も行き来することになる。

14時半からは、「精密医療の未来」(The Promise of Precision Medicine)のセッションに参加している。今回は、集中してテクノロジー系のセッションに参加する。特に、僕自身が詳しくない分野にも積極的に参加するようにしている。

15時半からは、「The Brain at Work」。アリアナ・ハフィントン氏が登壇している。

アリアナ・ハフィントン氏を初めて見たが、予想以上に賢く、明晰かつユニークな発想ができると感心した。「睡眠はとればとるほど、頭脳に良い」とのことだ。

夜は「ハーバード・ナイト」に参加した。そして、夜の公式セッションに参加すべく別会場に向かったが、セキュリティを通るための行列が凄くて断念した。 そこで、森ビル副社長の森浩生さん、ローソン社長の玉塚元一さん、NHKヨーロッパ総局長の今村啓一さんと4人でステーキハウスに陣取り、ダボス会議の情報交換会を実施した。学び満載だった。

この4人、全員が丑寅の仲間だ。いよいよダボス会議の日本代表も僕ら世代になってきた。日本のプレゼンスを上げて、多くの主張をしたいと思います。

2016年1月20日
ダボスにて
堀義人

京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。住友商事株式会社を経て、1992年株式会社グロービス設立。1996年グロービス・キャピタル、1999年 エイパックス・グロービス・パートナーズ(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。2006年4月、グロービス経営大学院を開学。学長に就任する。若手起業家が集うYEO(Young Entrepreneur's Organization 現EO)日本初代会長、YEOアジア初代代表、世界経済フォーラム(WEF)が選んだNew Asian Leaders日本代表、米国ハーバード大学経営大学院アルムナイ・ボード(卒業生理事)等を歴任。現在、経済同友会幹事等を務める。2008年に日本版ダボス会議である「G1サミット」を創設。2011年3月大震災後に、復興支援プロジェクトKIBOWを立ち上げ、翌年一般財団法人KIBOWを組成し、理事長を務める。2013年6月より公益財団法人日本棋院理事。いばらき大使、水戸大使。著書に、『創造と変革の志士たちへ』(PHP研究所)、『吾人(ごじん)の任務』 (東洋経済新報社)、『人生の座標軸』(講談社)等がある。

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